第5話 ダンジョン初探索。
トランザさんの講習も終了して最後に総評として、話し始めたのは「今回は講習で分かった事はスグル以外はまだダンジョンは早いと言う事。入るとしても1層か2層までにして置けば命を取られる事は無いと思うので出来るだけその様にする事。1層2層でも数を倒せば稼ぎに成るので無理をせずに実力を付けてから3層より下に行くようにしないと命の保証は無いと思って置いて呉れ。」と言って締めくくった。
ギルドのランクは新規登録者がGランクで、依頼や魔物を倒し魔石や素材を納品する事でポイントを稼ぎ、ランクアップする仕組みで、最高のSランク迄8段階に成っていてSランクに成るには3都市の冒険者ギルドの推薦が要る様だ、現在は世界に1人だけSランク冒険者が居るそうだが、タルタ帝国で生活していてこの世界唯一の魔の森を何時も監視している様だ。
俺は一旦宿に帰り、裏の井戸に来て水浴びをして講習で搔いた汗を流してスッキリした所で、部屋に戻りトランザさんとの模擬戦を思い出していて、もっと上手く立ち回りが出来なかった反省していた。
しかし俺はまだ人としか剣を交えたことが無い、ダンジョンに入ると剣を持って居るのはオ-クジェネラルやオーガ剣士にスケルトンキングが主な魔物だと書いていたが、滅多に出会わないがデュラハンに吸血鬼公爵も偶に持って居る様だ。
他にも剣を使う魔物が居るかもしれないが今の所は判らない、部屋のベッドに横に成り思考を巡らせていたが鐘が鳴り俺は食堂に降りて夕食を食べる。この宿は16時~18時が夕食タイムで次に鐘が鳴ると終了に成る。少し早いが食べて置いて早い目に寝るのが何時もの宿での行動だ。
次の日俺はこの町に来てからは朝は4時に起きて居る。井戸場で顔と歯を洗いスッキリしてから朝のル-ティンを遣る。先ずは此処からギルド迄約3kmを往復で走りその後剣の素振りをする。俺は素振り様に木で作り上げたバスタ-ソ-ド程も有りそうな素振り専用の木剣だ。それを30分近く振り技の反復練習をして6時の鐘が鳴る前に終わり、再度汗を拭い6時の鐘が鳴るのを待ち食堂に降りて朝食を頂きそのままギルドに向かう。
ギルドに入ると受付嬢のマクリカさんが居たので朝の挨拶をして、一応依頼ボ-ドを見て見たがGランク冒険者にはダンジョン関係の依頼が無い、有るのは町中の依頼が2つ3つ有るだけで達成時の金額も安い、下水の掃除が1日銀貨1枚で多分1日では終わらないので3日位掛銀貨3枚は稼げる。銀貨1枚は1万ペタなので何とか生活は出来るが余裕は無い。俺の泊まっている宿は1泊が7000ペタで朝夕付きなので残るが高い宿には泊まれない。
俺は一応何も無いのを確認してダンジョンに向かう。ダンジョンは町の東門を出ると直ぐの所に有り、高い塀で囲まれていてスタンピードに備えている。1カ所に通用口が有り其処でタグを見せて其処を通ってダンジョンの入り口迄約100m歩く、其処に下向きに大地が裂けて口を開けているのがダンジョンの入り口だ、其処から少し低い所に2つの入口が有り其処で初心者とベテランに別れる事になる。右が初心者の入り口で左に行くと石碑が有り其処でタグを翳し石碑に手を当てると往きたい層に転移されるそうだ、行ける層は10層単位で10層20層30層40層に成っているが、50層へは行けない様で其処に行くには普通は40層からになる。
俺は当然右に入りダンジョン初体験を味わう。俺の後ろにこの前講習を受けたチ-ム創世の翼も来ている。ダンジョンの第一歩を踏み出して真っ直ぐに進む。最初に3つの道が有り真ん中の洞窟を選び進む。後ろの創世の翼は右の洞窟を選んだ様で姿が見えなく為った。
最初に現れたのがスライムでまるで水がプルンプルンと揺れながらじわじわと寄って来る。俺を認識したのかプルンプルンとしていたスライムが突然ポヨンと飛び上がり、突っ込んで来て慌てて避けると又プルンプルンと元に戻り地面に張り付いている。水色のスライムには火魔法が有効でファイヤーボールが掠るだけで融けてしまうが、剣や槍の様な武器で倒そうとするとスライムの核を壊さないと倒せない。
俺はファイヤーボールを撃ち倒すと豆粒位の魔石が残り消えて行く、次に出会ったのがキャタピラーで撫でか色が土色だ、普通のキャタピラーは緑色だと思うが此処は10層迄が洞窟タイプのダンジョンで、キャタピラーも同系色の土色をしている様で面白い、と思っているとキャタピラーから石粒を飛ばして来た。
石粒は1個だけでスピードも少年野球のボール位の速さで簡単に躱せて、逆に剣で突き差して倒すとスライムよりやや大きい魔石が残し消え、取り合えずそれを背負いバッグに入れ進んで行く。
その日は2層まで行って3階に上る階段を見付けて、ダンジョンを出て来てスライムの魔石6個キャタピラーの魔石4個オオカミ2個の12個を採取していたが、ドロップは一つも落とさない魔物ばかりだった。
ギルドに戻り買い取り窓口に行き、魔石の買取をして貰うとスライムの魔石6個キャタピラー4個オオカミ2個の魔石を出すと、「新人さん割と頑張ったじゃない。私は買取窓口のミルキ-よ、宜しくね。」と言って紙を渡して来た。
その紙には12000ペタと書かれホルカノン冒険者ギルドと言う判が押されていて、その横にミルキ-さんのサインがして有る。そしてミルキ-さんが「それを持って受付に行って渡すと現金が貰えるよ。今回は12000ペタだったが地道に頑張るのよ。」とお姉さん風を吹かして来たが、俺は「明日はもっと頑張るよ。」と言って受付けに向かった。
次の日はギルドに寄らずダンジョンへ入り3層迄行って来て、スライムの魔石8個キャタピラー3個オオカミ3個とゴブリン2個とコボルトも2個ゲットして来て、今はミルキ-さんの所に来ていた。
其処でスライムの魔石8個とキャタピラー3個と、オオカミ3個ゴブリン2個とコボルト2個を出すと、ミルキ-さんが「スグル君凄いじゃない3層迄行って来たの確かスグル君ソロだったよね。」と言いながら54000ペタと入った紙を渡して来た。
俺は結構稼げたので受付でマクリカさんに「通信を出したいのですが」と言って見ると、マクリカさんが「何処に出すのですか?王国内だと20000ペタですがトマ島は倍の40000ペタ要ります」と言った。
俺は40000ペタと聞いて如何するか考えたが、気にせず出す事にしてマクリカさんに出身がバレるが、トマ島の実家の名前と用意していた文章を渡し送って貰う事に、するとマクリカさんが「スグル君貴族だったの?」と小さい声で聞いて来た。
俺もそれに答える様に、小さい声で「そうですが4男です。」と言うと、マクリカさんが「矢張り何処か違う様に感じたのは正解だったのね。」とこれまた小声で言ったが「サーシアに教えてあげよう。」と言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます