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土の聲、水薫る

土の聲、水薫る

匠

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    土の聲、水薫る

    第一部「土の聲」編 山々に囲まれた、静かな田舎の村。 そこで育った少年・ハルは、誰も近づかない“祠”に、不思議な引力を感じていた。 ある春の日、村に転校してきた少女・澪。 都会から来た彼女は、よそ者として周囲から距離を置かれていた。 だが、ふとしたきっかけで、ふたりは“聲の祠”で出会う。 祠の奥、土に埋もれた石の耳。 そこから聞こえるのは――名も知らぬ者たちの聲。 最初は幻かと思われたその響きが、澪の心の奥と呼応し始める。 名を呼ばれた記憶。 忘れられた存在たちの声。 ふたりは、村に眠る“土の聲”に触れていく中で、 少しずつ、名前とは何か、人が忘れてきたものは何かに近づいていく。 しかしその裏で、村の古い言い伝えや、澪の“知られざる過去”が静かに揺れはじめていた――

    4月23日に更新

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