第22話 三人の反応

 俺が人化してからフランシールは俺を撫でなくなった。今は猫なのに。


「アベルを撫でたらセクハラみたいなことにならない?」

「にゃー」

「撫でないのもかわいそうじゃないですか?ほら、もふもふ~」

「ごろごろ」


 シータにもふもふされている。放課後にフランシールの友達三人組がやってきた。


「こんにちは~」

「お邪魔します」

「アベル君、元気してた~?」


 こいつらにも人化を見せておこう。


「にゃ(人化)」


 俺は人前で人間になった。


「えっ?!アベル君が人間になった?!」

「かっこいい!」

「背高い!」

「三人共いらっしゃい。アベルです」


 三人はびっくりしている。


「今日はアベル君をもふもふしようと思ってたんだけど、これじゃ無理だな~」

「尻尾とかどこに消えたんでしょうか」

「アベル君、フランシール様と結婚するの?」

「結婚はしないですよ」

「私は皇子と婚約してるからアベルと結婚は無いわね」

「え~?でもあの皇子、聖女様とべったりで失礼な奴じゃないですか?」

「政略結婚だから仕方ないのよ。我慢しないと。それに私、母国では忌み子と呼ばれてたし贅沢言えないわ」

「フランシール様は自己評価低すぎませんか?とんでもなく可愛いのに」


 その後俺は猫に戻り、三人にもふられ続けたのだった。

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