第8話 回復魔法

 次の日の朝、俺はフランシールにもふもふされている。


「アベル、ありがとね」

「にゃ?」

「アベルが来てからご飯の量が増えたり、魔法が学べたりで、待遇が改善されたの」

「にゃ」

「アベル無しの生活なんてもう考えられない。ずっと一緒にいてね」

「にゃ」


 よし、ずっと一緒にいてやるよ。ユリシスが来た。


「フランシール殿下、アベル君、今日も魔法を作っていきましょう」

「はい」

「にゃ」

「攻撃魔法って教えてくれませんか?」

「攻撃魔法か…。この部屋じゃちょっと危険だから無理だね」

「そうですか…」

「回復魔法なら教えてあげられるよ。ちょっと待ってね」


 ユリシスはナイフを取り出して、手を傷つけた。ちょっと血が出ている。


「わっ、ユリシス。何をしてるのですか!」

「さあ回復魔法を使ってください」


 ユリシスは体を張って魔法を教えるのか。大したもんだ。


「わかりました。むむむ…ヒール!」

「おっ、治ったね。おめでとうございます殿下。さて、次はアベル君だね」


 ユリシスはまたナイフで手を傷つけた。


「にゃー!(ヒール)」

「治ったね。ヒールを使う猫か…君は凄いね」


 ユリシスは俺をもふり始めた。


「ごろごろ…」

「それじゃまた明日ね」

「はい」

「にゃ」


 ユリシスは去っていった。

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