【TS転生ファンタジーバトル小説】アステラルダ・コンバット! ~転生美少女(※中身おっさん)が強すぎて、倒した敵が全員仲間になっちゃいました!(※男女問わず)~
藍埜佑(あいのたすく)
第1部:転生
プロローグ:星降りの夜、龍は乙女に
意識が戻った時、俺、
全身が軋むように痛む。
最後の記憶は、世界タイトルマッチで激闘を制した後、控え室へ戻る途中に襲われた背後から不意打ち……そして、急速に遠のいていく光だった。
死んだ、と思った。
(……だが、生きている……?)
ゆっくりと身体を起こす。
柔らかな草の感触。
湿った土の匂い。
そして、満天の星空。
見たこともないような、無数の星が、まるで手の届きそうなほど近くで輝いている。
状況が飲み込めない。
ここはどこだ?
俺はどうなった?
自分の手を見る。
……違う。
ゴツゴツとした、鍛え上げた俺の手ではない。
白く、華奢で、滑らかな、まるで少女のような手。
「……なんだ、これは……?」
思わず漏れた声は、俺自身の低いものではなく、鈴を転がすような、可憐なソプラノだった。
混乱が頂点に達する。
近くにあった泉に駆け寄り、水面を覗き込んだ。
そこに映っていたのは、絶句するほどの美少女だった。
流れるような銀色の髪。
大きな、夜空の色を映したかのような深い碧眼。
透き通るような白い肌。年は……十五、六か。
俺の知るどんな人間よりも美しい、完璧な造形。
だが問題は、その美貌の主が、俺、神楽龍牙だということだ!
「……冗談じゃない……」
三日三晩、俺は森の中を彷徨い、そして理解した。これは夢ではない。俺は死に、そして、この異世界とでも言うべき場所で、見知らぬ美少女の身体に「転生」してしまったのだと。
名前は、なぜか頭に浮かんだ。
「アステラルダ」。
星屑、という意味だろうか。まったく馬鹿馬鹿しい。
最初は絶望した。鍛え上げた肉体、積み上げたキャリア、全てを失った。
女の身体など、非力で、不自由で、戦いには向かないと思っていた。
だが、このアステラルダという身体は、俺の予想を裏切った。
絶対的な筋力や耐久力は確かに低い。
だが、それを補って余りあるほどの、驚異的なバネ、柔軟性、そして反応速度を持っていた。まるで、極限まで研ぎ澄まされた、最高級の武具のようだ。
そして何より、俺の頭脳と、そこに刻まれた総合格闘技の知識と技術は、失われていなかった。
試しに、森の獣を相手に動いてみた。
身体の軽さに最初は戸惑ったが、すぐにコツを掴んだ。前世では不可能だったほどの、軽やかで鋭いステップ。しなやかな体幹から繰り出される、鞭のような打撃。そして、相手の力を利用し、最小限の力で制圧する関節技。
(……いける)
確信した。この身体ならば、戦える。いや、前世以上の強さを手に入れられるかもしれない。
魔法やスキルといった、この世界の「常識」らしい力は、俺にはないようだった。だが、そんなものは必要ない。
強さは、場所を選ばない。
俺は、神楽龍牙として最強を目指した。
ならば、このアステラルダという身体でも、同じことだ。
この異世界で、俺は再び、最強を目指す。ただ、それだけだ。
俺は、森を抜け、地平線の先に見える街を目指して、歩き出した。
銀髪を風になびかせ、碧眼に揺るぎない決意を宿して。
元・最強格闘家(♂)、現・絶世の美少女(♀)、アステラルダの異世界無双譚が、今、幕を開ける。
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