もふもふ転生~推しの巨乳悪役令嬢を守る為『聖なる叡智の魔法』で敵キャラさえも分からせ聖獣無双をシマす~

ぐうのすけ

第1話

 推しの悪役令嬢がすやすやと眠っている。

 その胸をじっと見つめる。

 立派だ。


 モフモフマスコットに転生した俺は悪役令嬢の大きな2つの果実、その谷間にもぞもぞと入り込む。

 その瞬間俺は尻を鷲掴みにされて胸の谷間から引きずりだされた。


 俺を引きずり出したのは悪役令嬢のメイド、プリムラだ。

 プリムラは俺の言葉が分かる。


「きゅきゅう(何するんだ。プリムラ)」

「それは、こっちのセリフ」


 プリムラが俺を鷲掴みにしたまま見下すような目で俺を見つめる。


「クエスのベッドは用意してある」

「きゅきゅう! (これバスケットに草を入れただけじゃん! 手抜きじゃん!)」


「十分」

「きゅきゅう(俺体が小さいから寒いんだ)」


「修行の旅、してた。野宿してたはず」

「きゅきゅう(あの時も寒かった。そして何度も死にかけた。特にドラゴンとの死闘では)」

「興味ない」

「きゅきゅう(そっか、お休み)」


 拘束から抜け出そうとするとプリムラの手に更なる力が入った。


「きゅきゅう(俺小さなマスコットだぜ? 大事にして欲しいわ。俺の体が変形してしまう)」

「クエスは丈夫」


「きゅうきゅう(プリムラは勘違いをしている)」

「何?」


「きゅきゅう(この行為には聖獣としての深い考えがあるんだ。お前のご主人様って悪く勘違いされやすいじゃん。でも俺が胸の谷間にいる事で学園のみんなはご主人様に話しかけやすくなる。それどころか聖獣である俺が一緒にいればきれいな心のお墨付きを貰えるわけ『意外と心優しい所もあるのね?』『あんなに聖獣様と一緒にいて、心も清らかに違いないわ』『神聖な聖獣があんなに寄り添うあの方が悪者なわけないわ』ってなるじゃん」


「ラムザ(ゲームの男主人公)の時は頭の上に乗ってた」

「きゅきゅう! (それも作戦なんだって! 学園のみんながご主人様を見る時、最初にどこを見る? そう、胸じゃん。大きくて柔らかくて立派なその胸に目が行くじゃん! で、絶対に見るそこには聖獣である俺がいるじゃん! 小さな俺でも見逃しゼロになるじゃん! そうなればご主人様の評価が100%爆上がりな訳よ! しかも、『胸元に聖獣を入れているなんてあのお方もお茶目な所もあるのね』ってなるじゃん! 勘違いされやすいご主人様にはお茶目さが必要なのよ! しかも俺が胸元にいる事でご主人様の目が母性溢れる目になるじゃん! ご主人様の態度も柔らかくなるじゃん! すべてが緻密に計算され尽くした超高度過ぎる作戦なんだって!!)」


「怪しい、ただお嬢様の胸元が気持ちいいだけ、それに、眠る時に胸元に入る必要は無い」

「きゅきゅう! (信じてくれ! 聖獣である俺には人類の叡智が蓄積されているんだ!)」


「クエスは、魔獣と変わらない」

「きゅきゅう! (それは言っちゃダメだろ! 言っていい事と悪い事がある! あんな邪悪で外道な存在と一緒にすんなって!)」


「クエスからは邪悪さを感じる」

「きゅきゅう! (俺聖獣だよ? 聖なる叡智の魔法、その使い手だよ? 女神の使いだよ? 超聖なる存在じゃん!?)」


「黒いモノ、感じる」

「きゅきゅう! (真っ白じゃん! 俺、時にはパールホワイトに輝いてるじゃん! この猫のような顔と耳、まん丸くて小さい体、愛嬌のあるクエッションマークのようなアホ毛、見た目が白いどころか見る人の心まで浄化して真っ白にする説まであるわけじゃん!)」


「黒いのはその心、腹黒い」

「きゅきゅう!? (俺聖獣だって! 心も天使なんだって! こんな愛くるしいモフモフが腹黒いとかマジですか!?」


「マジ、大マジ」

「キュキュウ! (プリムラ、君は心が汚れているようだ。俺の心はパールホワイトに輝きすぎている。そうすると黒い心を持った人はこう思う、あれ? こんなに輝いて真っ白な心はおかしいよね? 絶対黒い何かがあるはずだ。そう思ってしまう。でもあるって! パールホワイトな心、それ目の前にあるから!)」


「意味不明」

「きゅきゅう! (なんでだよ! 分かりやすかっただろ!)」


「どうみても、腹黒い」

「きゅきゅう! (だから俺聖獣なんだって! 心まで聖なる存在なんだって!)」


「分かった」

「きゅきゅう(ふう、やっと分かってくれたか)」

「クエスと話しても、話が終わらない、それが分かった」


「きゅきゅう! (対話大事! そういう所だぞ! そういうのから戦争が始まるんだって! 愛を与えて愛を貰う、そういう好循環作っていこうよ。 その答えがこれだ!)」


 俺は推しの悪役令嬢の胸に飛び込もうとした。

 だがプリムラの鷲掴みで俺の体が更に歪む。


「きゅきゅう! (放せ! 放せって! 愛を知れって!)」

「黙れ」


 推しの悪役令嬢が目を開けた。


「うーん、ん、プリムラ、クエス、今は夜よ、静かにしましょう」

「お嬢様、申し訳ありません」

「プリムラ、クエスで遊んでないで今日は寝ましょう」

「はい、その前にクエスに汚れが付いているようなので洗ってきます」

「きゅ! (な、きれいじゃん!)」


「お嬢様、お休みなさいませ」

「ええ、お休み」


 プリムラが俺を鷲掴みにしたまま部屋を出た。

 そして外に出て走った。



 プリムラは俺を鷲掴みにしたまま深い森まで走る。

 川が見えると俺をそこに投げつける。


「きゅきゅう! (あっぶね!)」


 俺はすかさず体を浮かせて体勢を立て直した。

 2人が対峙する。


「その腹黒い心を、川で浄化する」

「きゅきゅう(いや天使だって)」


「話は、意味が無い」

「きゅきゅう(醜い戦争はやめよう。帰って眠ろう)」


「調教、してあげる」

「きゅきゅう(ほう、しょうがない。そっちがその気ならヤラれても文句は無いよな?)」


「ついに腹黒い心を、表に出した」

「きゅきゅう! (聖なる叡智の魔法、聖獣の力を見せてやんよ!)」


 プリムラが服を脱ぎ捨てた。


「ここなら、本気で戦える」


 プリムラが美しい美少女の姿から大きな竜に変わる。


「氷のブレスで分からせてあげます」

「きゅきゅう (白き叡智なる手)」


 俺から白い光の手が現れる。

 それは白く輝く太いロープのような見た目で先端は丸みを帯びていた。


 2人が対峙する。



 ◇



 チュンチュンチュンチュン!


 小鳥のさえずりが朝を伝える。


 朝の爽やかな風が吹く。


 太陽は祝福するように俺達を照らす。


 

 俺はプリムラの肩に乗って推しの元に帰ってきた。


「クエス、プリムラ、おはよう」

「お嬢様、おはようございます」

「きゅきゅう(おはよう)」


「あら、ずいぶんと仲良くなったのね?」

「え、ええ、クエス様の素晴らしさを分からせられ、いえ、分かりました」


「それに、プリムラの肌がつるつるね、クエスの毛並みもいつにも増して、随分と輝いているわ」

「聖なる叡智の魔法で浄化の後、入浴しきれいになりましたから」


「プリムラ、体をくねくねさせるのは良くないわ。いくら眠くてもピシッと立ちましょう」

「はい、立ったクエス様に、いえ、ピシッと立ちます」


 俺は推しの胸に飛び込んだ。

 そして顔だけ出して胸元に収まる。

 俺は眠りに落ちていく。

 ヒロインを、みんな助けて。

 ハーレム王に、俺は、なる……


「ん! もう、甘えん坊ね、ふふふ、まるでしっかり働いた後のように満足げな顔で眠っているわ」


 俺は転生したあの時の、夢を見ていた。




 あとがき

 新作です。

 1話を読んでいただきどのような作品かピーンと来て頂けたかと思います。

 

 規約を守るため、設定の工夫・直接的な表現の回避・場面スキップ、あらゆる手を尽くしていますので曖昧な表現が多く感じられるかと思います。

 が、すべて想像で補い楽しんでいただけると嬉しいです。


 ※1話場面スキップで何があったのか? それは後で出てきます。

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