第4話 山賊退治
ネコミミ族は猫から進化してきた人間で、この国には少ないが南の方に彼らの国があるらしい。
そこから、独特な彼らの生産品を持って商売しに来ているのだ。
ガラガラという馬車の車輪の音がこっちまで聞こえてくる。
「あのキャラバンが襲われたりしてな」
リリーの言葉に反応したかのように、山賊がわらわらと現れた。
一体どこに隠れて居たのだろう。
「よし、行くぞ」
リリーが立ち上がる。ケンタが上気した顔で元気よくハイっと答えた。
僕は急いで立ち上がると、岩場をひょいと飛び越えて橋に向かった。
狼の走力を装備した僕にとって、岩の出っ張りを蹴りながら崖を飛び降りるのは
すぐに橋の上にきた。
山賊たちとネコミミ族の戦いに割って入る。
「ホワイトホースの騎士リリーが、山賊討伐に参上した。おとなしく降参しろ」
僕は決まり文句の口上を叫ぶ。
これは自己満足のためではない。
助けられた者達に、誰に助けられたのかを知らしめるためだ。
そういう評判が巡ってリリーの地位向上に役立つのだ。
僕に注目が集まったところで、いつものようにローブをめくってお尻を見せようとしたが、商人のズボンを履いているのを忘れていた。
後ろ向きになってズボンの腰紐を解くのに時間がかかる。
怒号を上げながら、髭面の山賊が剣を振りかぶって突進してきた。
やばい。
逃げたほうが良さそうだと思った瞬間、腰紐が解けてズボンが膝まで落ちた。
これでは走ることができない。
襲いかかる男に、僕はお尻を向けて四つん這いになる。
ぐふっと山賊の男が呻いた。良かった、間に合ったようだ。
前を見ると、橋の
髭面の山賊は、しゃがんで僕のお尻にキスしようとする。
そこで僕は素早くズボンを脱いで、立ち上がる。
お尻にキスされると、他の男たちにその部分が見えないから魅了の術が広がらないのだ。
他の男たちに目立つようにして、再び僕はお尻を晒した。
あ、あん。気持ちいい。
山賊の一人に腰ををがっしり掴まれて、僕はお尻を犯されている。
猛り狂った肉棒が、僕の奥深くに突き入れられリズミカルに出し入れされている。
う、うん。ああん。
お尻の中のいいところに当たる度に、僕は思わず呻いてしまう。
僕の周りでは、助けられたネコミミ族とリリーがその様子を面白そうに眺めていた。
他の山賊たちは皆リリーの電撃鞭で気絶させられて、全裸にされて縛り上げられている。
裸にするのは、隠している武器とかの用心のためだ。
「面白い魔法ですにゃ。淫乱ケツマン波ですかにゃ。でも、おかげさまで助かったですにゃ。感謝申し上げますにゃ」
ネコミミ族のリーダーらしいおばさんが、リリーに礼を言ってる。
ニャーニャー言うのはネコミミ族独特の言葉遣いだ。
「しかし、この子いつまでやってるの? さっき男が三回目の射精したみたいだけど」
別のネコミミ族の少女が、興味深げに見つめてる。
「あと二回で終わる。いつも五回の射精で敵は眠るんだ」
リリーの説明に、そんなにやるんだと、そのネコミミ娘が笑った。
大勢の前で裸にされて男にお尻を犯されるのはだいぶん慣れたけど、やはり初見の興味深げな視線には恥ずかしさを感じてしまう。
更にネコミミ娘は前に来て僕の顔を覗き込んできた。
「ねえ、どんな感じ? 気持ちいいの?」
この子は若いからなのか、ネコミミ訛りがないようだ。
そんなこと聞くなバカと無視したいが、目の前にいる子を無視もできない。
「はい、いい気持ちです」
僕は仕方なく正直に答える。
しかし、僕は彼女らを助けた勇者グループの一員なのに、なんか蔑みの目つきで見られているような気がする。
いつもこうなのだ。でも、最近はそんな風に見下される事にぞくぞくとくる興奮を感じる。
こういうのはマゾヒズムというものか。
男の娘でサキュバスでマゾか。もう一つで役満なんて言葉がふと浮かんだ。
前世の記憶だった。
僕はこの世界に三年前に召喚されて転移してきたわけだけど、最近は前世界のことはあまり思い出さなくなっている。
僕の現実はすでにこの世界なのだ。リリーの従者で男の娘サキュバスだ。
僕のお尻を犯している髭面が、やっと五回目の射精を終えた。
眠り込んだその男の下から這い出ると、僕は立ち上がる。
そして商人の服を脱ぐと、いつものローブに着替えた。
その時、橋の横の河原の方からケンタの呼ぶ声がした。
「リリーさん、こっちに洞窟がありますよ。岩の割れ目から奥に入れるようです。盗賊のアジトだと思います」
よし、そっち行くから、とリリーが返事をした。
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