【4巻】ちびっ子たちとダンジョンな日(1)
今日もガズゥたちは元気にダンジョンに挑戦中だ。
一階、二階のフロアの地図は完成していて、今では三階のフロアも半分ほど埋まっている。
大人たちはどんどん先行しているが、ガズゥたち、ちびっ子が頑張って地図をうめているのだ。
ガズゥたちは、すでに攻略済みのフロアを走り抜け、三階のフロアを歩き回っている。
「はやいとこ、つぎのフロアにすすみたいけどな」
薄暗い道を先頭で歩いているテオが、ぼやいている。
人族だったら明かり無しでは歩きづらいと思われるダンジョンの道も、狼獣人である三人には余裕だ。
「……ゴブリン、くるぞ」
ガズゥの言葉に、目を眇めるテオ。
「くさいのがきた」
マルも鼻をくしゃっとしながら前を向く。
「よーし、やってやる!」
テオが嬉しそうに小さな剣を握り、ゴブリンたちに向かって駆けだした。
ダンジョンの三階からは、ゴブリンやケイブバット(蝙蝠の魔物)が中心だ。
ドロップ品は、ゴブリンの腰布やら、ケイプバットの爪や牙、といった、使いようのない物がほとんどで、冒険者ギルドに持ち込んでも、二束三文のものしか落とさない。拾っても売りようがないので、そのまま放置だ。
それでも、三階の地図を描ききるのをガズゥの父親であり、村長でもあるネドリから頼まれている三人はなんとか頑張っているのだ。
道の先に五匹のゴブリンがいたけれど、ガズゥたちの手にかかれば、ほぼ瞬殺。地面には、ほとんど価値のないドロップ品が転がっている。
「あ、ませきあった!」
滅多にドロップされない魔石に、マルが嬉しそうな声をあげる。
「ゴブリンにしては、おおきいな」
マルが手にしている魔石を覗き込み、テオは感心したように言う。
ゴブリンの魔石は、大きくても人差し指の爪くらいが相場なのだが、今マルが手にしているのは、親指くらいの大きさがある。
「だいじにとっとけ。サツキさまがよろこぶぞ」
「だよね!」
ガズゥに頭をぐりぐりと撫でられながら、マルは自分の鞄の中に放り込む。
「あそこで、ふたまたになってる」
テオの言葉に、ガズゥとマルは前を向く。
「ちょっとまて。ちずはどうなってる?」
三階の地図を開き、確認するガズゥ。
地図では二股の先は、右手に大きな部屋、その先はまだ描かれていない。左手には長い道が描かれている。この先には四階へ向かう階段のある部屋に繋がっているようだ。
「よし、みぎにいくか」
「おおきいへやだね」
「なにがでんのかな」
三人は、少しの緊張と興奮をしながら、二股を右へ曲がった。
少し歩いたところに、石の扉があった。ガズゥたちは、扉の開け方がわからず、少しウロウロしていると、カチリと小さな音がしたかと思ったら、ズモモモモ~っという音とともに、石の扉が開いた。
「……なにもないね」
マルが不思議そうな声をあげながら中に入る。
ガズゥとテオも用心しながら、中に入ると、ガガガンッという音とともに石の扉がしまってしまった。
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