運命

「早く運命の人に巡り会いたい」


俺の口癖ランキング、堂々第一位だ。

端的に言うならば、心から愛し合える人が欲しい。


今年で24歳、年齢イコール彼女いない歴のいわゆる非リア。

いや、友達はいるんだよ!人より多い自信があるくらいには。


その中には女性もいるんだが…


「付き合ってください!」


「ごめんなさい。あなたとはこれからも友人でいたいです。」


まぁ、この通りだ。

いつも俺からの一方通行で終わる。


「この世界のどこかにいる運命の人〜!俺に会いに来てくれよ〜!」


嫌気がさした俺は、今バーで一番強い酒をグビグビと飲んでるところさ。


「隣いい?」


誰だ?俺の隣に座りたがるなんて、よっぽど変わった女だな。

でも、これも何かの縁かもしれない。


「どうぞ。こんな奴の隣で良ければ。」


「では、お言葉に甘えるわ。」


さて、どんな奴が来たんだか…

なんて思っていた時期が、俺にもありました。

視界にはとんでもない美女が飛び込んできて、俺を優しい眼差しで見つめている。


「そう卑屈にならなくてもいいんじゃない?私がいるんだから。」


妙に積極的だな…美人局じゃないよな?

いや、この際美人局でもいい。少しだけ恋人がいる気分を味わってみたいんだ。


「ああ…それもそうだな。ところで、きみはなんで俺の隣に?」


「あなたから‘運命‘を感じたのよ。私に時間をくれない?」


「いいとも。大歓迎だ。」


俺の人生は今始まったんだってくらいワクワクしてる。

こんな美女に気に入られるなんて、今までの女は見る目がなかったんだな。


「マスター、ご馳走様。」


よし、会計も済ませたしこれからデートってわけだな?


「こっちにきて。見せたいものがあるの。」


薄暗い路地…まぁいい、ついて行ってみるか…

この先に行きつけのお洒落なバーがあるのかもしれない。


「ねぇ、あなたは運命の本当の意味を知ってる?」


「本当の意味?惹かれ合うとか、そういうのじゃなくて?」


「それも合ってるんだけど…運命って、‘命を運んでくる‘って書くじゃない。私、ずっとあなたを探していたの。世界に一つだけの、私専用のご馳走を。」



後日、男は干からびた状態で発見された。

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