間話 ギルド職員ミミのダンジョン講習3

「皆さんこんにちは、バザール領スモールダンジョン前ギルドのギルド職員ミミです」


ア:こんにちは!


「今日は、ダンジョン内で魔物を倒して得られる個人の能力、レベルについて説明をします」


「レベルとはダンジョンの魔物を倒し、倒した魔物の魔素が体内に吸収され、体が強化される事をレベルが上がると言います」


「なぜこのような現象、数字が現れるのかハッキリしていませんが、ダンジョンの解明されていない機能の一つとされています」


「強化される体の機能は、我々冒険者ギルド職員が長年研究してきた結果によりますと」


 強さ

 器用さ

 丈夫さ

 素早さ

 精神力


「それぞれを個人が持つ基本数値と、吸収された魔力で数値がプラスされ、その合計数でレベルが上がると解明されております」


「ただし、具体的な数値は解明されていないため、冒険者証の数字でしか証明する事が出来ないでいます」

 

ア:つまり、冒険者証を見ないと何も分からない?


「そう言うことになりますね。ちなみにアベル君はレベル幾つになりましたか?」


ア:九になったよ!


「一回ダンジョンに入っただけで九ですか……」

 

「そう言えば、アベル君の持っている背負い袋はあまり見ない形をしていますが、どちらで購入された物ですか?」


ア:これ? これはね、僕のいた町の防具屋のギルさんが作ってくれた物だよ。だけど元々はテツにぃのお父さんのゴウさんが考えた物なんだって。


「少し、見せて頂いても宜しいですか?」


「底の部分と背中に当たる部分はしっかりとした革で、補強と布……口の所の紐を緩めるとかなり間口も広がって大きな物も出し入れし易くなっている。この肩掛けになるベルト? も工夫されていますね」


ア:金具を通す穴の位置でサイズ調整出来るようになっているんだよ、体の前で固定するベルトは簡単に外れるようにもなっているんだ。


「試してもよろしいですか?」


ア:手伝ってあげるね。


 ああっ……アベル君の手が、ああっ耳が目の前に……ダメよミミ! 我慢するの……貴方には大切な旦那と娘がいるのよ!


ア:ミミさん大丈夫?


「失礼しました!! 大丈夫です……コレは!? 背中にもしっかり固定されて重さも感じ難くなってますし、前のベルトも直ぐに外せて、接敵の際には直ぐに下ろせるようになっているのですね」


ア:紐だけの袋も簡単で良いんだけど、荷物が増えてくると持ちにくくて邪魔になるんだよね。


「これは良いですね、もしギルドで同じような物を販売するとしたらどなたに許可を得たら良いですか?」


ア:許可? 多分大丈夫だと思うけど防具屋のギルさんかゴウさんかな?


「分かりました、こちらから人を伺わせて詳細詰めさせて頂きたいと思います。アベル君ありがとうございました」

 

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ふっふっふっ、久しぶりのゴウスカウターーーー!


テツ、十六才

 獣人族(黒豹)

 ダンジョンレベル:十一

 強さ:十六

 器用さ:六

 丈夫さ:十

 素早さ:十一

 精神力:九

 合計:五十二

 

アベル、十四才

 犬人族(レトリーバー)

 ダンジョンレベル:九

 強さ:十二

 器用さ:八

 丈夫さ:十

 素早さ:八

 精神力:十一

 合計:四十九

 

 二人とも、ボスを倒してレベルが上がったようだが、まだまだだな。

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