第20話

『アルちゃん、日本史のどこがわからないの?』


 なぜか、おれたちの家でお勉強会をすることになった

 そして、なぜかわからないけど理世もいる

 理世いわく、おれだけじゃ心配だから、らしい


 たしかに、理世のほうがおれより成績いいけどさ……

 簡単な歴史の流れくらいなら、わかる


 まず、サクナは簡単なのから理解しないとダメだ


 サクナ、卑弥呼とか古墳とか普通にわからなかったから……

 小学生レベルの日本史の知識すら身についていない状態なのだ


「まず、この、じょーもん?じだいってのがわかんないです」

『アルちゃん、縄文時代っていうのはね……』


 理世が、サクナに丁寧に説明を始めた

 サクナも、頑張って理解をしようとしている

 こりゃ、おれの出る幕は無さそうだな



 ごほうびとして、日本史のテキストをサクナにあげよう

 レベルは、共テレベル

 多分、キレると思うけど、面白そうだし



 数時間後


『響夜、だいたいわかった、赤点は回避できそう』


 サクナはそんな事を言う

 見た感じ、かなり疲れてそう


『アルちゃん、そのレベルだと中学生の日本史で赤点回避レベルだよ〜』


 まだまだ、サクナの日本史勉強は続きそうだ


『リヨがひどい、何時間もやったのに、またやらせようと……響夜、守って』


 サクナは抱きついてきて助けを求めてくる

 理世は、教え方上手いけど、少しスパルタなとこがあるから……

 てか、サクナ、すっごくいい匂い……

 背も同じくらいだから、吐息が耳にかかって……


「響夜、サクナとお楽しみ中かな?ごめんね?でも、ボク、サクナに日本史教えてあげてたのに、なんか逃げ出しちゃって……戻してくれない?」


 理世が、少し怒りながら来た

 手には……中学生の日本史のテキストを持って


「さっき、小学生レベルのひと通り終わらせたから、中学生レベルの入ろうと思ったんだけど……」


 理世も早すぎるよ!

 1日でサクナができるわけないじゃん!

 なんか、サクナがかわいそうになってきたので、おれからの日本史のテキストプレゼントはなしだ

 サクナ、おれにめっちゃ強く抱きついてきてるし……

 強くて少し痛いし……可愛いから許すけど


「あ、響夜、もう遅いし今日は泊まっていくね、いいでしょ?」


 理世が突然そんなことを言ってきた


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