第6話 火縄銃と未来武器

「――それは、なんと呼ばれる武器なのだ?」


政宗の声が静かに響いた。


彼の前に置かれているのは、トーマスがスマホから取り出した“脇差”と、“黒くて角ばった物体”。

そう、それは彼が今回持ち込んでいたエアガンだった。


「これは…現代の武器の模造品。だけど…構造は実物と同じ。火縄銃より正確で、早く撃てます」


トーマスがエアガンの仕組みを説明すると、政宗の片眉がわずかに上がる。


「ほう…弾は火薬を使わぬのか?」


「はい。これは空気で撃ち出す仕組みです。だけど、もし現代で“実弾”を手に入れてここに持ち込めれば…」


政宗の眼帯の奥が光る気がした。


「面白い…!つまり、お主は“未来の兵器庫”を持ち歩いているということだな?」


「ま、まぁ、そんな感じです」


トーマスは苦笑しながら頷いたが、政宗はすでに何かを決意したように背を向け、家臣に命じる。


「鉄砲隊の者どもを集めよ。あと、鍛冶職人もな」


「はっ!」


政宗はトーマスに向き直った。


「未来の政宗よ。お主にはこれより、我が軍の火器指南役を任せる。遠慮はいらぬ。存分にその知を振るえ」


「え…オレが火器隊の指導を!?」


「当然だ。この乱世、どれだけ革新的な武力を持ちうるかが勝敗を分ける。もし、お主が“火薬すら使わぬ鉄砲”を完成させられれば…」


政宗の声は、低く熱を帯びていく。


「――我ら伊達軍が、この国を制するのも夢ではなくなる」


トーマスは飲み込んだ唾を、そっと喉で止めた。


「これ…本当に歴史を変えてしまうかもしれないな」


だがその時、彼のスマホがかすかに震えた。


画面には、新たな武器収納スロット《MODERN SLOT》が解放された通知が表示されていた。


“未来の知識により、装備可能枠を拡張しました”


「まさか…スマホが、進化してる…?」


トーマスはその表示を見つめながら、静かに息を吐いた。


“このまま行けば、オレの知識で天下を獲れるかもしれない”

そんな誘惑が、心に忍び寄っていた。


しかし、彼はまだ知らない。

この“未来の力”が、やがて大きな歪みを生むことになることを――

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