第7話 初めてのお泊まり。

 俺の独断と偏見で言うなれば、10歳までは幼女、16歳までが少女、それ以上は女性とする。

 そして、目の前に居るのは少女だ。

 狼の時と同じ白銀の髪の毛は腰までのサラサラストレートヘア。

 俺を真っ直ぐに見つめる真っ青な瞳。

 ささやかな胸の膨らみ。

 細身の身体。

 おっと、これ以上は俺の理性が持ちそうにないので割愛させて頂く。



「なんじゃ?ジロジロ見おって……」



 白狼は俺の不躾な視線を不機嫌そうにしながらも食事を始めた。





 白狼が肉を咀嚼する音と俺が木の実をポリポリとかじる音だけが洞窟の中に響いた。



「なぁ、聞いて良いか?」



「んー?」



「なんで人型?」



「身体がちっさい方がちょっとの量で腹が膨れるからじゃ。」



「成る程。」



「それと、いちいち『』を使うのが面倒になっただけじゃ。」

「滅多な事言うなっ!」



「それに、主は雄じゃから、このような雌の姿は好きじゃろう?」



「否定はしないけど、逆に男にもなれるって事か?」



「それは無理。性別は越えられん。」



 成る程。

 コイツは雌で良いんだな。



「ところで、何故に全裸なんだ?」



「……儂、服とか持っとらんもん。」

「さいですか……」



 俺はおNEWのブレザーをーー今日初めて袖を通した学校の制服ーー脱ぐと白狼にかけてやった。

 キョトンと此方を見上げる白狼に「取り敢えず、着るものがないなら貸してやる」とだけ伝えて食事を再開し、その日は明かり的な問題はあったものの、おとなしく眠りに着いた。





 俺の寝床は白狼から分けて貰った枯れ草と毛皮を地面に敷き、体温が奪われない様にしただけの簡単な寝床だ。



 横になり目を閉じれば今日の事が思い返される。



 知らない土地どころか異世界に飛ばされ、自分の知らない間に命の危機にされされていた。



「元の世界に戻れるのかな……?」



 ボソリとこぼした独り言と同時に涙を流した。



 父さん、母さん……家に帰りたいよ……



 せっかく、虐められていた中学生時代から心機一転、やり直そうとした初日からコレだ。



 夢であって欲しい。

 そう願うと共に、頭の冷静な部分がコレは現実なんだと無慈悲に告げる。



 何か目標や目的を作らないとな。



 俺が通っていたカウンセリングの人がそんな事を言っていた。



 まずは達成しやすい簡単な目標を作ろう。

 そう自分を無理矢理納得させて俺は眠りに落ちて行った。







 明日から頑張る!!

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