第12話 授業の混沌
「はーい。みんな席に着いけ。
新しい友達だぞ。3人だ。」
一番生意気そうな悪ガキが
「左の子、すーっげー美人だ。アーサー先生。
彼女のこと早く紹介してくれよ。
その横はチビのそばかすはいいから。
先生早く。」
緊張していたルナがいきなり怒った。
「なによ。カベルは美人で私は違うの?
君、女の子にモテないでしょう。
サイテー!
どこからどう見ても頭よくなさそうだし。
イケメンじゃないし。」
「おい、おい、ルナいきなりケンカはしないぞ。」
ルナの女子的な、気持ちもわかるが転校初日にケンカはよくない。僕はルナをなだめる。
「そこのお前。お前には関係ない。
引っ込んどけ。」
生意気な悪ガキが続けて
「なんだ、そこの瘦せっぽちの背の高いシルクハット。そのチビの見方をするのか。」
『誰が瘦せぽっちだと。』思わず僕もくそーっと思いながらもここは大人の対応だ。
「君、僕の妹を悪く言うのはやめてくれ。
妹の味方するのは当たり前だ。」
横のルナが嬉しそうだ。
あっかんべーをして僕の背中に隠れた。
正直、これが本当の戦闘だったら、ルナは機敏で戦闘能力も高い。
即座に動いている。
が学校内で戦闘をするわけもいかないし、普通の子のようにふるまわなくてはいけない。
むしろ、こっちの姿の方が自然だな。
教室いたクレアも立ち上がり、悪ガキに向かって。「ザック。ルナは私の家にいるの。今は私にとっても妹よ。いじめたら私が承知しないわよ。」
次の瞬間、カベルの視覚がクレアを捉えた。
「?」
八太郎も「そうだ。そうだ。」と応援する。
『悪ガキの名前はザックか。』能力値を即座に鑑定。ただの地球人か。しかし悪いことは悪い。
いくら落ちこぼれでもハック星の海賊の血だ騒ぐ。
「僕らは第3惑星銀河ボイドのハック星から来た。」
悪ガキの顔が変わる「もしかして、お前ら宇宙海賊か。」
「そうだ。今度、妹ルナにひどいこと言ったら僕が承知しない。覚えとけ。」
「あー、分かった。」と少しひるんだ。そしてなんと変わり身の早さ。
「で横の美人な女子はお前たちに関係ないんだろう。じゃあ、」
とザックは向きを変えて「アーサー先生。早く彼女を紹介してくれ。」
『なんだこいつ。単ある女子好きか?
しかし、カベルが美人で惹かれるのは僕も同じだ。案外、素直でいい奴かも。』
ルナの目が僕をじーっと見た。「カナメ。」
「何も、ないよ。ごめんごめん。」
アーサー先生が「分かった。分かった。紹介する。とりあえず、みんな座れ。」
カベルは右手をあげて「先生、自己紹介ぐらい自分で、できます。」
「私の名前はカベル。第9惑星銀河ボイドのジプシー星から来ました。母船の故障でこの地球、長崎に不時着しました。今はレオーネ先生に引きとられています。以上。」
「フュー。」口笛をザックが鳴らし。
「クールだ。カベル。ますます気に入った。
カベル、困ったことがあったら何でも
俺様、ザック様に行ってくれ。」
「ありがとう。」また右手をあげた。
これって・・・もしかして。
「はい。次はカナメ達の番ですよ。」
「僕の名前はカナメ。ハック星の海賊だ。」
「私はルナ。私もハック星の海賊よ。」
アーサー先生が「みんな、仲良くするように。カナメはクレアの横に。ルナは八太郎の横だ。カベルはザックの。いや、クレアの反対がの席に。」
「授業はじめるぞ。クレア、八太郎、教科書を見せてやれ。」
「はい。」
僕らはクレアの席は挟んで「ゴーン」机を両サイドからつけた。
離れた席からザックが悔しそうにカベルを見ている。
アーサー先生が「おーいザック、教科書開け、
はじめるぞ。」
「はーい。」
「ヨロシク、クレア。」僕はクレアに挨拶。
「ヨロシク、クレア。」カベルもクレアに挨拶。
クレアが複雑そうな顔をする。
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