小さな哲学の旅

花村しずく

もしも未来が過去を決めるとしたら

小さな頃から、「こうなったらいいのにな」「こうだったらよかったのにな」と考えながら眠りにつくのが好きだった。

未来のことを思い描いたり、過去を振り返ったり。

そんなことを考えていると、ふと不思議に思うことがあった。


私の行動を決めているのは、過去なのか、未来なのか、それとも今この瞬間なのか。


今日は、そんなことを考えた日のお話をしようと思う。


もし、過去が未来を決めるのなら、未来はすでに過去の中に織り込まれている。

しかし、逆に「未来が過去に影響を与える」としたら、過去とは何なのだろうか。

私たちは「過去は変えられないもの」だと考えがちだが、もし未来が過去に作用するのなら、

過去は「確定したもの」ではなく、「変化し続けるもの」なのかもしれない。


物理学の領域では、量子力学の遅延選択実験が「未来の観測が過去の状態を決定する」可能性を示している。

つまり、未来の選択によって、過去の意味が変わることがあり得る。

この考え方を哲学的に捉えれば、「過去とはすでに確定した出来事」ではなく、

「未来によってその解釈が変化し続けるもの」と言えるのではないだろうか。


たとえば、人生のある時点で「失敗した」と思った出来事があったとする。

しかし、その後の経験によって「あの失敗があったから今がある」と考え直すことができる。

このとき、「過去の出来事そのもの」は変わっていないが、

それをどう捉えるかによって、私たちの「過去」は変容している。

つまり、過去は「出来事の集合」ではなく、「解釈の集合」なのかもしれない。

そして、その解釈は、未来に向かう私たちの意識によって、常に書き換えられている。


また、ある哲学者は「自由とは、必然性を自覚することである」と語った。

もし未来が過去に影響を与えるのなら、私たちは「まだ起こっていない未来」によって、

「すでに起こった過去」の意味を選び取ることができるのではないだろうか。

それは、「私たちの未来はすでに決まっている」のではなく、

「私たちが未来をどう選ぶかによって、過去の意味すらも変わる」ことを示しているのかもしれない。


未来は、過去の中にすでにあるのか。

それとも、未来が過去を作り直しているのか。

私たちがどちらの視点で世界を見つめるかによって、「時間」という概念そのものが変わるのかもしれない。


だとするならば、今「変えたい」と思っていることや、失敗したと後悔している過去の出来事も、

未来では「成功だった」「あれがあってよかった」と思える日が来るのかもしれない。


過去に縛られるのではなく、未来を選び取ることで、過去すらも新しいものに変えていく。

そう考えると、どんな日々も、どんな出来事も、これからの自分の糧になっていく気がする。そんなことを思いつつ、わたしは私の未来に希望を持ち続けていきたいなと思っている。

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