第36話 パニック
告白。
私はパニック発作なるものを発症する人は
心の弱い人間がなるものだと思っていた。
弱い人間を、どこかで見下していた。
私は常に自信満々で傲慢だった。
詳細は省くが
信じていた人々に裏切られ
私は落胆し、恨み
落ち込んだ。
私の周りにいたのは物乞いのような
ハイエナ人ばかりで
真に私を勇気づけるような人は居なかった。
ある日
「なぜ、こんなことになった」と思いを巡らしていたら
呼吸が苦しくなり
心臓の動きがおかしくなった。
「このままだと、死ぬかもしれない」
そう思った私は、生まれて初めて自ら救急車を、お願いした。
そう、私が心の何処かで見下していた
弱い人間の起こす、パニック障害を起こしていた。
救急車の中で、こんな会話があった。
「いやホントに下がっている、病院探そう」
私は泣きながら
「すいません、すいません、ありがとうございます」
と言っていた。
私は弱い人間に・・・いや
本当の弱い自分と出会い、それを助けようとする
救命士の方に、お世話になった。
病院に到着して
ストレッチャーに乗ったまま、すぐに心臓の
レントゲン撮影をした。
異常は無いという事だった。
病院で死ぬかもしれない寸前になった。
心電図モニターが警告音を鳴らし始めた
看護士さんが
「あれ、先生呼んで、チョット!ヤバイ!」
とバタバタしている・・・
その時、私は苦しいとも思わず
呼吸を止めてしまった。
憶えている。
「弛緩剤、強心剤だ!アドレナリンも用意して!」
と聞こえてきた。
私はふわふわしていたら目の前に長髪の白髪で口とアゴにひげを
蓄えたイギリス人のような・・・魔法使いのような人が
私の顔を覗き込んでいるのに気が付いた。
その直後
「ウーッ」と息を吹き返し、注射を打たれている自分に気が付いた。
何事かを叫び、しゃべっていたが覚えていない。
錯乱という症状だ・・・
私は泣いていて数時間点滴を打ち、休み
会計を済ませ、タクシーを呼んで自宅に帰った。
命は取り留めたが、その後
私は重い、うつ病になってしまった・・・
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