第16話 C班の仲間
「おぉー!図書館広ぇ〜!!」
S級隊員達で校舎の中を見て回る。
今は図書館を見ている。見上げるほどの本棚が沢山あり、素晴らしい図書室と言える。
「わぁぁぁー!本読み放題だー!」
カナリアは読書が大好きなのでとても興奮していた。
リカさんにも戻ったら教えてあげたいな、なんて考える。
生きて戻れる保証はないのに。
「ん?奥に子供?がいるぞ?」
タイガが図書室の奥を指さす。
そこには確かに年下の女の子が座っていた。
「おかしいな、、、。風の谷学校は今、S級隊員しか使えないはず、、、。」
「声掛けてみようぜ!」
タイガについて行き、その子の傍へ行く。
「こんにちは!」
「!?」ビクゥ
女の子はタイガの大声に驚いてしまったようだった。女の子はおさげでメガネをかけていて、なんというか、母性をくすぐられた。
「驚かせてしまってごめんね。あたしはノラ、あなたは?」
「、、、」
とりあえず警戒を解くために優しく話しかける。でも、その子はずっと黙ったままだった。
ヒソ「どうする?」
ヒソ「どうもこうも、、、」
2人でヒソヒソと話す。
「おーい!すいませんっす!そいつ、無口で!」
すると、上から少年の声が聞こえてきた。
驚いて見上げると、1つ上の階から少年が頭を覗かせていた。そして、今行く、とだけ残し下へ降りてきた。
「すいませんっす!オイラはクラム!風の谷支部のS級隊員っす!」
「「え、S級隊員!?」」
彼の名前はクラムと言うらしい。
見た目は茶髪で背が小さい好青年という感じで、とてもS級隊員には見えなかった。
「はいっす!S級隊員のノラさんっすよね!オイラ大ファンっす!サインくださいー!」
そして、彼はまさかのあたしのファンだった。
「は、はい。」
困惑しながらもサインを渡す。
クラムはニッコリと笑い、とても喜んでいた。
「ところで、そちらの女の子は?」
あたしがそう聞くと、女の子があたしらの前に出てくる。
「こいつはチャウって言うっす。」
「オイラと同じ風の谷支部のS級隊員で、タイガさんの大ファンっす!」
「よ、よろ、よろしくおねがい、しますぅ」
彼女の名前はチャウというのか。
可愛い名前だな、と思う。
それにしても、あの筋肉バカのファンだなんて、、、。
「S級隊員ってことはもしかして、、、」
「俺たちと同じC班のメンバーか!?」
タイガがハッとした顔をしてそう言う。
確かに、S級で、しかも2人。
あたしらの仲間のC班なのかもしれない。
「そうっす!S級特別作戦のC班っす!よろしくお願いするっす!」
「、、、」ペコり
「おぉ!よろしくな!」
やっぱり、同じC班の子だった。それにしても、こんな少年少女まで作戦に出てるなんて、、、。
「にしても、お前ら何歳だ?」
タイガが恥を知らず単刀直入に聞く。
「オイラ達は15歳っす!」
「まだまだ下っ端っす!でも、全力で頑張るからよろしくっす!」
やっぱりまだ子供だ、、、。
でも、心意気は凄くあるみたいなので、これからよろしく、ということにしよう。
いざとなればあたしが守ってあげる!
「もしかして今、校舎の中見て回ってる感じっすか?」
「うん。まだここしか見てないけどね。」
「やっぱりそうっすか!じゃあ、、、」
「これからはオイラ達が案内するっすよ!」
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