Resonance of Legacy〜奇妙すぎるサバイバルレース〜
湊 マチ
第1話 「オレが帰ってきたってワケよッ!」
「……ここはどこだ?」
砂塵が吹きすさぶ荒野。
空には赤黒い太陽が逆さに浮かび、月が三つ、血のような光を投げかけていた。
その中心に、唐突に現れる“ねじれた渦”。
「ゴゴゴゴゴゴ……」
時空が歪むような音とともに、ひとりの男が叩きつけられる。
「うおおおおおッ!? ちょ、ちょっと待てってばよォ〜〜〜ッ!!」
土煙の中から、やや中年気味の男がふらふらと起き上がる。
シワの寄った眉に、鋭い目。どこか茶目っ気のある顔立ち。
男の名は——
ジョセフ・ジョースター。
「いってぇ……くそ、また時空を飛ばされたってワケかよ。オレってそういう運命(さだめ)なのか……?」
いつもの調子でブツブツ言いながら、立ち上がるジョセフ。
目の前に巨大な看板が突如、バチバチと放電しながら出現する。
⸻
【全世界横断型スタンドサバイバルレース】
“リザレクション・ボール・ラン”
優勝者には、《全世界線を再構築する聖なる遺体》が授けられる。
「な……なにィ!? “世界線を再構築”だとッ!? そんなヤバいモン、誰が手にしてもロクなことにならねぇッ!」
直後、ジョセフの右手首に何かがカチリと装着される。
それは銀色のブレスレット——いや、“スタンド型識別装置”のようだ。
【参加者No.027:Joseph Joestar】
所属時空:Earth-1938B
所持スタンド:未覚醒
搭乗形態:自由選択式(馬・車両・スタンド移動 ほか)
武器制限:なし
命の保証:……されません
「未覚醒って……え、ちょっと待てよ。オレ、まだスタンド持ってねーじゃん!」
その瞬間、右手が淡く光を放つ。
「……うおっ!? な、なんだコレ!? ………見えるッ!?」
ジョセフの背後に、“鉄とガラクタの兵士”のようなスタンドが姿を現す。
まるで古びた戦車のようなデザイン。名前はまだわからない。
「ついに……このオレにも“スタンド”ってヤツが来たか……。いいぜ、やってやろうじゃあねぇかッ!」
──彼の視線の先。
高台からこちらを見下ろす“人影”がある。
黒いマントを翻し、髪をなびかせる美しい男。
その顔は、ジョセフが生涯忘れられないものだった。
「……DIO……!」
そしてDIOの背後には、見覚えのある影たち。
ワムウ。吉良吉影。プッチ神父。カーズ……!
「オイオイオイ……全員そろい踏みってわけかよ……。ヤバいなこれは……マジで世界が終わるかもしれねぇ……!」
だが、ジョセフは口元を吊り上げ、ニヤリと笑う。
「ま、やるけどな。
お前らみてぇなイカレた連中を止められるのは、このオレしかいねぇんだろ?」
ジョセフは手首を鳴らすと、背中のスタンドとともに走り出す。
「頭脳とハッタリの奇妙なレース、開幕ってワケだッ!」
To Be Continued——
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