52話
第281話王様の裁定、軟禁
王様そこまで? なんだか嬉しいよ。いや、王様のお兄さんの鎧の力か。と、言う事は……俺は密かに期待が高まってしまう。
「父上つまりユリナスの事をわが友とお認めになって、当初の予定通り領地をお与え下さると?」
ちょっと先走って聞いちゃダメ! アルフレッドの奴が期待顔で聞いてしまうけど、そうなるよね? うるさい兄二人も先程の反逆罪の一言で黙ってしまったし!
「うむ、ユリナスにはアルフレッドの希望通り領地を与え、我がアルパカインゼット王国の貴族の一員にしてやろうと思う」
やたっ! これで無事に帰れる。むふふアルデもアルパダも何も言わないグフフ。さぞ悔しかろう!
「父上ありがとうございます!」
「ただし」
え? 何があるの……
「PTから追放され死に我が兄の御加護で蘇った事は事実として、ただしそれが人格的に優れたる者かどうかはそれは別問題だ。ユリナスには領地を与え、城に部屋も与えよう。ただし、城から一歩も出る事は許さぬ。儂から何点か命令を与えて行く、それをこなす上で我が栄光のアルパカインの貴族の一員となれるか見定めていく」
どういう事、それってつまり軟禁じゃ無いですか! 全然俺の事信じてくれて無いじゃん!? どんだけ慎重なのアルフパパ。つまりマリの元に帰れないって事?
「父上?」
「あの、どれくらいの間でしょう?」
「死ぬまでだ……と言えば過酷過ぎるか、儂の信任を得れるまでか」
やっぱ飛ぶかぁ? それか師匠と一緒に腹いせに城の一角でも壊しちゃうか?
「ユリナスどうするのじゃ?」
「どうした……二人とも怖くないのか? リリーもユリナスも儂の命令が怖くないのか? まるで好きな時に出れる様なあり様だな?」
図星だ。この王様はバカ殿様ではないな、俺の内心が一瞬でバレてる。怖がった方が良いのか?
「父上、ユリナスはあまりの事に言葉も出ないのです。意地悪過ぎです!」
ありがとうアルフレッド。
「王様、アルフレッド様の言う通りです。今だんだんと考えがまとまってまいりました。騒いでもどうにもならない以上、お言葉に従います」
俺は素直にひざまずいた。師匠もなんだか一緒にひざまずいた。夫婦ぽいな!
「これは、良かったの悪かったの? どっちだと思うレミラン」
「分からないよ……けど私、師匠さんに負けない!」
「え?」
「い、いや……何でも無い」
ーこうしてユリナスは命令あるまで城から出られなくなったので御座います。そして同時にアルデリーゼはアルパダと、さらにコールディはルウィナと顔を見合わせたので御座いました。
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