『チョコまろ王子とストロベリー姫の世界パフェ大作戦!』

優貴

【第1章:スイーツ王国ふんわり騒動】

第1話:チョコ風呂でとろけたいのに


――スイーツ王国・中央宮殿。

床はビスケット、壁はバタークリーム、窓のガラスはパリパリ飴細工。そこにひときわ優雅に漂う、香ばしいカカオの香り。


「ふぁ~……チョコって最高……」

チョコまろ王子は今日もチョコ風呂のなかで、くるくると溶けかけのまろやかスマイル。

肩までチョコに浸かりながら、王子は呟く。


「このまま一生チョコまみれでいいや……食事も風呂もチョコなら、なんの問題もな……」


「問題大アリですわよ!!!」


バァン!!!

勢いよくドアが開き、室内にストロベリー姫が突入。

フリル全開のイチゴドレスが風を切る。


「ちょ…ちょっと姫!?ノックって知ってます!?チョコ風呂覗くとか、ギリ犯罪ですよギリ!」


「王子、あなた本気でそんなぬるま湯……いや、ぬるチョコ生活続けるつもり!?世界を見てくださいまし!」


「いま見てるのはチョコの海と、己の腹筋だけですけど……」


「違いますわよ!世界には、まだ見ぬ味があるんですって!シュールなスパイス!未知のクリーム!燃えるプリン!」


「燃えるって火事ですか!?もはや味じゃないでしょそれ!!」


王子のチョコが若干煮え立つ。


「というわけで、出発ですわ!」


「え、いまから!?」


「ええ、いますぐ。チョコ風呂はそのままに!」


「いちばん捨てちゃいけないものを置いていくスタイル!!」


こうして、チョコまろ王子とストロベリー姫の「世界パフェ」を探す旅が始まるのであった――。


(次回、「とろける砂漠とアイスクリームの罠!」へ続く!)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る