第42話「ぽっちゃり魔王と聖女と魔王の母 前編」
魔王の城に朝の陽光が差し込む。
ベルファゴールは ルナーティアとお揃いの青いリボン付きふわふわマント でソファにどっしり。
もふもふの黒髪がキラリ、ぽっちゃりな腹が静かに揺れる。
「フン、ルナのクッキーは悪くない。今日も村は平和だ。」
ルナーティアは白いドレスに同じリボンで微笑む。
「ベルファゴール様、ガルド様 がまた果樹園に…」
クレアがクッキーを一口。
「姉貴、クッキーうまい。でも魔王さん、ぽっちゃりキラキラ すぎじゃね?」
その時——
空気が ビリリッ! と震え、漆黒と金の重厚なマント を翻した女性が現れる。
「おはようございます、ベルファゴール。ルナーティア。」
魔王の母、セレナ。
銀髪を高く結い、静かで深い瞳。
胸元の 巨大なルビーのブローチ が威厳を放つ。
女王のような落ち着き。
「母上…!?」
ベルファゴール、背筋を正す。
セレナ様は 静かに歩み寄り、息子の前に立つ。
「結婚式以来 ですね。
ルナーティア、息子を支えてくれて感謝いたします。
ですが、本日はガルドをお迎えに参りました。」
ルナーティアが優雅に一礼。
「セレナ様、お久しぶりです。ガルド様は果樹園に…」
セレナ様、静かに微笑み、ルナーティアの手を取る。
「いいえ 、ルナーティア。
私は貴女の母になったのですよ?
これからは、お母様と呼んでくださいませ。」
ルナーティア、頬を染めて。
「…お母様。」
セレナ様、わずかに眉を寄せる。
「また村にいらっしゃる のですね。
魔界の政務を3回も欠席 されては、
私も黙ってはいられません。」
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