第5話 静かな夜に
夜が深くなると、病室は静寂に包まれる。あなたの寝息が心地よく響き、私はその音を聞きながら、静かな時間を過ごす。目を閉じても、あなたの顔が浮かんでくる。思い出せないはずの私の姿が、あなたの心の中で消えていってしまったのは、どれほど辛かっただろうか。
「達也、今日はどんな夢を見たの?」
私は、あなたに何気ない質問を投げかける。けれど、あなたは何も答えない。目を開けて、ただ私を見つめるだけ。それでも、私はあなたに問いかけ続ける。少しでもあなたが記憶を取り戻してくれたら、それだけで心が救われる気がするから。
ある日、あなたが突然、私に触れた。その瞬間、私の心は驚きと喜びでいっぱいになった。けれど、すぐにあなたの手が引っ込んで、私を見つめる目はただ冷たかった。それでも、その一瞬が私にとってどれほど大切な時間だったかを、あなたには分かってほしいと思う。
「これからも、ずっとここにいるから」
私は心の中で誓った。あなたが記憶を取り戻すその日まで、私はあなたの側にいる。どんなに辛くても、どんなに痛くても、私はあなたと一緒にいたい。
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