またね、大好き

縞間かおる

第1話 背中合わせの純情

 半ば恋に恋してたあの頃……

 卒業式が終わって、その足で旅立つと言う彼と……

 学校の近くの公園の前の道で

 ドラマか少女マンガのワンシーンの様に背中合わせになって

「じゃあ!」

 とお互いに反対方向へ歩き出した。


 私はやっぱり途中で振り返って

 涙で彼の姿がぼやけてしまったけど……

 あれは……本当に悲しかったのかなあ……


 今、思い返すとちょっぴり苦くて……

 文字通り“苦笑”してしまう。


 あれから私には色んな事があった。

 彼もきっとそうだと思う。

 ふふ!

 だってさ!

 手が触れるのだってドキドキしていたあの頃だもん!

 一番触れ合ったのがお別れの時の背中合わせだよ!

 純情過ぎて居たたまれないよぉ!

 それが今じゃ……お互いが付いちゃってさ!


 不貞のダンナと別れて保育士に復職した私と……

 奥様と死別し、忘れ形見のつむぎちゃんとこの街へ戻って来た彼……


 保育園でバッタリ会った時……彼がとても大人びて見えたのは……きっと辛い影を帯びていたからなんだろうね。

 私は……たぶん、すっかり荒んでたんだろうね。

 彼、私の事、分んなかったから。

 無理も無いか!

 復職した最初の頃は……

 私の顔を見て泣き出す乳幼児が続出したくらいだから。

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