第5話 気配なしで近寄るとは

Googleマップに頼むしかないほどの、ここはどこ?ワタシはダレ?になってしまった。

周りに人もいない。

Googleマップ、お頼み申す!はいはいっと、住所を入力すると出ました。

そう、ここまではいいの。

はい、私はここなのよね?そいで矢印はどっち向いてる?あれ?違う?

こっちかと自転車走らせたら道がずれてく。いつも、そうじゃん、グリグリマップ!!黙ってないでなんとか言いなさいよ!

問題はいつもここから起こってるんだー!迷子はグリングリンマップの中で起こってるんじゃない!現場で起こってるんだぞ!

あまりのアホくさい自分の独り言に笑えてきた。ツボに入ったらしく笑いが止まらない。お腹が痛い、、、。腹が筋肉痛起こすって。

現在、四時半。街の静寂をぶち壊して大笑いしてるのはやばい。

とにかく、グルグルマップなんか当てにしてらんないわよ。

適当に自転車を走らせたら辿り着くはず。

野生よね、野生の勘よ。

自転車を走らせてると、もうどうでも良くなってきた。夏の朝の早い時間なら

サイリクリング、サイクリング、やっほーやっほーの気分たかまるーぅ。

「どこまでも行こう〜。道は坂道でもお〜。立ち漕ぎはできなくなったけどぉぉん。どこぉまぁでも行こう〜。」めちゃくちゃな歌を自分だけるんるんで歌う、

どうせ、誰もいないもんね。

あ、公園がある。小さな公園だね。遊具は無いけど、花壇があって明らかに誰ぞが育てる感じにキチンと咲いてる。

木もあるし、いい、いいよ、ここ。

水飲み場で手を洗って、ついで顔も。うーん。気持ちいいね。

ペンキのはげたベンチに座って大判のハンカチに包んできたおにぎりをひとつ取り出して食べる。

我ながら塩加減がいいじゃない。二口目、梅干しに到達した。きたぁー!すっぺー!

梅干しババが梅干しを食らうなんてな。


「あんた、なんでこんな時におにぎり食べてるんだい?」の声に私はおにぎりを丸飲みしてしまったのだった。

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