第3話 桃園にて幕上がる『枕絵三圀艶伎』
「あ、あの~、マホウトコロ女学院ってことは、これから試験とか面接ですか?」
「もう殆ど内定したと思って好いわよ。私が推挙すれば、雲長君はうんと言う」
「趙雲だってうんうんって言うにきまってるよな」
「あとは龐統君がとんとんと手続きしてくれるわね」
「それで孔明がこんこんと机をたたいて亮解するよな」
「フェイフェイ、士三日会わざれば刮目しちゃうわね」
「姉貴、娯下の阿蒙に擬えられるなんて好い気がしないぜ」
「そうよね。娯の人たちとは今一しっくりこなかったわよね」
「姉貴だってツァオツァオにツァオマービーされるよりも、ザオガオって思ってるもんな?」
「あらま……フェイフェイったら、昔よりも下品になっちゃって。……阿斗くん、ごめんね。ナニ言ってるかさっぱりでしょ?」
「サ、サ、『三国志』の話ですよね?」
「阿斗くんも、やはり男の子ね。『三国志』好きなんだね。眼が生き生きとしてるもん」
「阿斗坊、よく聴けよ。実はだな、俺は燕に其の人ありって言われた、豹子頭、姓は張、名は飛、字は翼徳って言うんだぞ。胡名がクトルグ・カナト、今はクトルンカナーだな。凄いだろ?」
「へぇ~凄い、やっぱフェイ姉って如何にも美少女化した張飛みたいだもんね」
「如何にもじゃなくて、女仙に転生した張翼徳本人様だぞ」
「なるほど、なるほど……ということは、ルービーさんは劉備玄徳の生まれ変わりなんですか?」
「私は生まれ変わりじゃなくて成り替わりよ。阿斗くんが本当は劉備になる筈の人の転生だよ」
「ぇえ……」
予想外のこと言われて当惑してます。阿斗君は正史も演義も読んだ訳じゃありません。断片的に知っているだけです。
「阿斗くん、陳寿の『三国志』も、羅漢中の『三国演義』も、江呂川公嗣の『枕絵三圀艶伎』も読んだことないんだね」
「はい」
「トントンが来たら講談やってもらおうかしらね」
「いやぁ~トントンは立て板に水を流すように流暢だけど、飄々とし過ぎて色気がねぇな。俺はルービー姉の語りが一番好きだな」
「そこまで言われてやらなきゃ、女が廃るわね。愛しい阿斗くんのため、妾が一肌脱いで一席打つわね」
「ルービーさん是非お願います」
一肌脱ぐだけあって、上着を脱いでブラウスの前を開き肩をもろ出しにしています。しどけなく脚を崩しています。
生唾を飲み込む阿斗君です。ルビさんの見た目は十七歳でも十七歳の色気じゃありません。二十七歳の年増にも、三十七歳の熟女にも匹敵します。
「ねぇ、フェイフェイ、妾にも瓢箪ちょうだい。一席始める前の景気づけよ」
「ほらよっ!」
くるりと宙に舞う瓢箪を受け取るルビさん、ごくごくと喉を鳴らして啜ります。そして阿斗君に勧めます。
「のむ?」
「はい」
乗りで受け取った阿斗君、ルビさんとフェイフェイさん、二人の美少女の回し飲み、つまり間接キスです。飲まない理由は有りません。
――劇強っ!……でも甘くて美味しい。
阿斗君は胃がキリキリ、頭はクルクル、桃源郷で昇天しそうですが持ちこたえます。
「阿斗くん、妾の膝枕でお話聞きなさい」
「まてよ、俺の膝枕でも好いじゃん」
「あなた正座なんてしないでしょ?」
「こうすれば好いんだよ」
阿斗君、フェイフェイの胡坐の間に腰を据え後ろからホールドされています。背中に大きな胸が当たります。ルビさんとは異なる甘い匂いにむせっています。まるで猛獣に捕まった獲物のようです。
「そうしておけば、ユンユンに取られないかもね」
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