第3話幹部襲来

 日が暮れ始め、オレは寝床に悩んでいた。「寝ると言っても、携帯も財布も持っていかれたからなー。まあ、どうせこの世界じゃ日本の金なんて使えないんだろうけど……」と、オレは仕方なく馬小屋で寝ることにした。それから何時間が経っただろうか、突然の轟音に目が覚めた。「なんの音……?」オレは周りを見渡すと、街の方から煙と炎が見えた。


 急いで街の方に向かうと、アナウンスが聞こえてきた。「魔王軍幹部が現れました。冒険者以外の方々は急いで避難してください!」すると、火の中から一人の男が現れるのを見て、オレは腰が抜けてしまい、その場に座り込んでしまった。その男は口を開いた。「君は逃げ遅れたか?僕が魔王軍幹部の一人と知っているのかな?」と、冷ややかな声で言う。


 オレは何も言えない。そうこうしていると、後ろから冒険者たちがやってくる。「魔王軍幹部のラグマール!」と一人の冒険者が叫ぶと、ラグマールは「君らのような所詮寄せ集め程度の冒険者が、束になって勝てるほど魔王軍幹部は弱くないとわかっているだろう?」と冷たく返した。


 一緒にいた女冒険者が、「あなたは早く逃げて!ここは私たちがやるから!」と叫ぶと、オレはその場を離れることにした。


 ラグマールと冒険者たちの戦いが始まる。屈強な冒険者が斧を振り上げると、ラグマールは「シャイニング・ブレッド!」叫び、光の弾丸が放たれ、屈強な冒険者の胸元を撃ち抜いた。屈強な冒険者は倒れ、ラグマールは続けて言った。「ほらね。無駄なんだよ。僕は魔王軍幹部ラグマール。能力は魔法創造。好きな魔法を作れるんだ。最強だと思わないかい?」


 その言葉に、冒険者たちはラグマールに襲いかかるが、ラグマールは「勝てるとはいえ、何人も相手にする気はない。僕は効率を重視しているんだからさー」と続けた。そして「グラビティ!」と言うと、大半の冒険者が地面に倒れ込む。「僕と実力の差が圧倒的な相手のみ、地面に重力で倒れ込むのさ。まぁ、今立っている彼女はまだマシなんだろうね」と言いながら、倒れ込んだ冒険者の脳天を「シャイニング・ブレッド」で撃ち抜いていった。


 女冒険者は、「あなた。許さない」と言った。それに対し、ラグマールは「まぁ、一応名前だけは聞いてあげるよ。君の名前は?」と問いかける。「私の名前はリノ。氷を操る上級冒険者よ」とリノは答えた。

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