第2話《運の貸与》
俺の朝は必ず、宿屋のなかにある食堂から始まる。朝飯はきっちり食わんとアカンからな。
「やっぱり朝飯は、ご飯が1番やなぁ!」
幸運なことにこの世界でも、米の栽培が成されている。一部の地域でしか栽培はされていないが、このニャパング王国を中心にした諸国では盛んに米の収穫が行われている。
俺たちが拠点にしているマイマイの街は、米が特に美味しいと有名である。なので俺は毎朝、朝食にはご飯と味噌汁を欠かさないようにしている。
「ビンゴ様。あそこの夫婦なんて、どうかしら?」
ティラミスが示す方向には、成金趣味の年増の夫婦がいた。サーチを使うと、運の総量が800もあった。これはなかなかの上玉かもしれへんな。
ひとまずあの夫婦に、運を1000ほど貸し付けてみるか。俺のスキルの1つ【魔力の貸与】で、他人に運を貸し付けができるのだ。
しかも相手に気づかれへんように、こっそりと貸し付けて、こっそりと回収ができるねん。ちなみに相手がもともと持っている運を使い切るような事態になると、貸し付けた運は自動で回収できるように設定しているので、損をすることはほとんどない。
そして相手が運をプラスに変えると逐一、報告がくるようにも設定してある。運の変動は、ほんの些細なことから起きるからな。マイナスオーラが出てる奴は、あっという間にマイナスになる。大抵はそんなやつ、暗くて運の総量は2桁しかない。
逆に運気ぎ高いやつってのは、金を持っているのでプラス思考なのが多い。あぁ言った成金夫婦みたいに、おめでたい思考回路の方が、利益を運んできてくれやすいのだ。
【運の貸与】での取り引きは一度、始めてしまえば離れた場所からでも遠隔で出来てしまうのだ。そして自分のタイミングで回収も可能だ。
なので一気に上がったタイミングで、回収するようにしている。基本的にはデイトレードが、ベストだ。その日の取り引きは、当日で終わらせる。
まだまだ伸びそうなら、寝かせておくのも悪くはない。そして回収する額は、純利益の半分だ。なので俺が貸し付けた運を元手に、運気を上昇できるので悪い話しではない。
「とりあえず、1000にしてみたよ。確かに、えぇカモやな。流石は、ティラちゃんやで!」
ティラミスが選んでくる相手は、運気を爆上げするケースが多かった。ティラミスの観察眼は、かなり優秀である。
いま現在、ティラミスには5000の貸し付けをしている。そして舎弟のマルコには、3000の貸し付けをしている。
どちらも運の総量は、30000を超えている。二人からは運を、回収するつもりはない。利益を求めて一緒にいるわけではないからな。
俺にとっては、二人は大切な家族だ。
「兄貴。今日はどこに、行きますが?」
「せやなぁ。このペースでいけば、俺のスキルも今日にはレベルアップや。せやから、カモを見つけて、そこらでぶらぶらしとこか?」
今は派手に動かずに、ゆっくりじっくりしようと思う。金もあるし運は、確実に貯まっている。それなら無理に妙なことはせんで、確実な方をとった方が良いよな。
「なら、いつもの所が良いですね?」
「せやなぁ。ティラちゃんの言う通りやで!」
朝食を終えたら、レース場に行くことにしようか。
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