第15話 校則の終焉

桜ノ宮学園では、女子志願者の激減という危機が校則見直しの動きを加速させていた。教師たちの改革派が主導し、生徒会や保護者の声が後押しとなり、校長の抵抗も限界を迎えた。そしてついに、校則が見直され、新たなルールが施行される日が訪れた。長年にわたり女子生徒たちを苦しめてきた異常な罰則が終わりを迎え、彼女たちに安堵と希望が戻ってきた。


最終審議

校則見直しの検討が始まって数週間後、全校生徒と教師、保護者代表が集まる大規模な会議が体育館で開かれた。校長は渋々ながら壇上に立ち、改革派のリーダーである中村先生が進行を務めた。大学3年生の山崎彩乃、高校2年生の清水美緒、中学2年生の佐藤美咲ら、署名活動を主導した女子生徒たちも前列に座り、緊張と期待で息を呑んだ。


中村先生がマイクを手に持つ。「これまで、校則に関する多くの意見が寄せられました。特に女子生徒への罰則が問題視され、学園の存続が危ぶまれる事態となりました。本日、その見直し案を決定します」


生徒会が提案した「罰則の全廃と規律の再定義」、保護者会の「生徒の安全と人権を優先するルール」、教師たちの「教育的意義のある校則への変更」が議題に上がった。校長は「伝統が失われる」と反論したが、中村先生が「伝統よりも生徒の未来が大事です」と切り返し、会場から拍手が沸いた。


投票の結果、賛成多数で「校則見直し」が可決された。校長は顔を歪めたが、孤立無援となり、黙って壇上を降りた。彩乃が「やっと…」と呟き、美緒が「勝ったね」と麻衣、由紀と笑い合い、美咲が「本当に変わるんだ…」と彩花と目を合わせた。


新校則の施行

数日後、新校則が全校に発表された。放送で中村先生の声が響いた。「本日より、桜ノ宮学園の校則を以下の通り改定します。お漏らし罰則は全廃し、規律違反には教育的指導のみを適用します。生徒の人権と安全を最優先とし、過度な羞恥を強いるルールは一切廃止します」


体育館に集まった生徒たちから歓声が上がった。小学1年生から大学4年生まで、女子生徒たちは「もう怖くない!」と叫び、男子生徒も「これでいいよな」と拍手した。彩乃は「署名が報われた…」と涙を拭い、美緒、麻衣、由紀は「やったよ!」と抱き合った。美咲と彩花も「もう全裸にならないでいいんだね」と笑顔を見せた。


新校則では、制服の着用が義務化され、違反時の対応も「注意とカウンセリング」に限定された。教師たちが「生徒を支える学校に」と方針を固め、校長は実質的な権限を失った。教育委員会も「適切な改革」と認め、学園は新たなスタートを切った。


苦しみの終わり

校則の変更は、女子生徒たちの苦しみを終わらせた。彩乃は数日後、「おねしょが止まったよ…」とゼミの仲間に報告した。恐怖がなくなり、心が安定したのだ。美緒も「私もだよ!やっと普通に戻れた」と麻衣、由紀と喜びを分かち合った。美咲と彩花も「おねしょなくなったね」と笑い、夜の安心が戻ってきた。


ネット上の写真や動画は依然として残っていたが、新たな晒しがなくなり、彼女たちの羞恥は薄れていった。彩乃が「これで普通に学校行けるね」と呟くと、真希が「うん、怖かったけど頑張って良かった」と頷いた。美穂と優香も「もう大丈夫だね」と安堵し、大学生たちは未来を見据えた。


小学生の女子たちも「校長怖くなくなったね」と無邪気に笑い、保護者が「安心して通わせられる」と喜んだ。中高生も「これで普通の学校だね」と話し、学園全体に穏やかな空気が広がった。


全国への波及

校則変更のニュースは全国に報じられた。ワイドショーでは「桜ノ宮学園、ついに校則全廃!」と特集が組まれ、ネットでは「生徒の勝利」「校長負けたな」と反応が飛び交った。教育委員会が「他校のモデルに」と評価し、他の学校でも見直しが検討され始めた。


彩乃はテレビを見ながら「私たちの声がこんなに届くなんて…」と感慨に浸った。美緒、麻衣、由紀は「全国に知られたけど、変えられて良かったね」と笑い合い、美咲と彩花は「もう怖い思いしないね」と手を握った。


校長は退職を余儀なくされ、新校長に中村先生が就任。「生徒と共に学校を作る」と宣言し、学園は再生への道を歩み始めた。


新しい未来

校則が見直された初日、彩乃はキャンパスで深呼吸した。「これが普通の学校だね…」美緒、麻衣、由紀は校庭で「もう恥ずかしくないよ」と笑い、美咲と彩花は教室で「新しいスタートだね」と未来を語った。


羞恥と恐怖に苦しんだ日々は終わり、彼女たちは新たな希望を手にしていた。桜ノ宮学園は、女子生徒たちの抵抗と団結によって、ようやく普通の学校へと生まれ変わったのだ。











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