脳(No)Control~ブラックコーヒー~

S.Lily

第1話 秘密

『嫌だ、怖い…!』

少女が変な男に腕をつかまれ怖くて声が

出なかった。その時…

『おい、やめろ!!』

犯人の頭に声が響いた。

「誰だ!?」

咄嗟に後ろを振り向いたが誰もいない。

「上だよ。」

塀の上から警察官が犯人に覆い被さった。

「うわぁああ!?」

「犯人確保ー!」


「お疲れ様です!羽鳥捜査官!」

「お疲れ様。」

「お疲れ様ー!」

2人が同時に返事して立ち去った。

1人の警察官が話しはじめた。

「やっぱり格好いいよなー!」

「ですよね!特殊特別捜査員でしたっけ?」

「そうだよ。あれだけ実績残してたら誰も文句言えないよ。」

「それに加えて双子揃ってイケメン!」

「かぁ~やばすぎる!」

「それはそうと今回の事件悪質な少女誘拐犯

捕まって良かったですね。」

「そうだな。とりあえず署に戻るか。」

「はい!」

犯人を捕まえたのが

羽鳥ケイゴ捜査官と羽鳥ケイシ捜査官だ。

1人は刑事の姿。1人は警察官の

格好をしているが、見た目は建前で

本当は自由に行動する事を許されている。

2人は特殊特別捜査員だ。

実情を知っているのは上層部だけだが

周りの警察官達は実績があまりに凄いので

特別捜査員だと思っていた。


実は、2人には秘密があった。


コンコン...。

「失礼します。」

『ご苦労様。』

「はい。」

2人が同時に返事をした。

『どうかね。私が今何を考えてるか分かるか?』

「いえ。脳のコントロールがいいですね。警視総監」

ケイゴがにやりとしながら言うと

「そうか。君達に付き合うのは本当に大変だよ。頭で考えてる事が分かってしまうなんてな。」

「すみません。」

「いや。そのお陰で今や検挙率が数倍も上がったんだから感謝してるよ。」

「ありがとうございます。」

「それから、今回の事件だけど別件の事件も絡んでる可能性が高い。2人に事情聴取してもらう。頼んだぞ。」

「分かりました。」

頭を下げながら

『警視総監、本当に上手くなったな。』

チラッとケイゴがケイシ見ると

『そうだな。』

とケイシが軽く頷いた。

2人の秘密は人が頭で考えてる事が分かる特殊能力だ。

コントロールしているうちに

人の脳に話しかける事もできるようになっていた。お互いに考えている事が分かるので

テレパシーの様に話す事が出来た。

又、警視総監の様に事情を分かっている相手なら同様にテレパシーが可能だった。

ただし他人には危ない場合もあるので必要な時にしか

脳内に話しかける事はなかった。

「失礼します。」

2人は部屋を後にした。


注…『』は頭で考えたり脳内で話している内容です。






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