第19話 貢物とAI織姫

僕らは解散。

AI病院にAIアスちゃん、AIきらら

は経過観察でしばらく泊まるらしい。

「じゃあ、明日学校で。」

「わかった。」

「じゃ。」

僕はバルバルと家に向かった。

月に行く前と次元の違う元の世界に戻ったが、

そこはさすが何かわからないが大きな力が働いて、家も家族も変わりがない。

変わったことは完全この世界がAIに支配されているってことだけだ。

「ただいま!」

「お帰り。小太郎、バルバルご飯できてるわよ。」

「はーい。」

「その前に小太郎、玄関でスキャンしてないでしょう。

帰宅してないことになってるわよ。

早くスキャンして来なさい。」

「?」

バルバルが「これが、この世界の常識さ。」

「そっか。スキャン。」

手をかざす。「ピッ。」完了。

僕は母さんのご飯を食べて、部屋へ行く。

もちろんAIバルバルもいっしょだ。

バタンと大の字に手足を伸ばしベットに

横たわる。

バルバルはふわふわ宙を浮いている。

「なあ、バルバル。明日の織姫の貢物ものだけど。丸。青。水。どうしようっかなあー。

たぶんタクマは頑張って

宝石を持って来るだろう。

キラキラの宝石は高い。

中3の僕らには買えない。

そうだなー。真珠1個ぐらいは買えるかもしれない。

それにリクトはすでにAIだ。コバルトを丸く加工して貢物で持って来るかもな。」

バルバルが「コバルトを丸く加工した錠剤は

AIのエネルギー補給にもなる。

俺様が欲しいくらいだ。」

「そっか。コバルトか。

僕は何を持っていこうか。

悩む。悩むぞ。織姫の彼氏になりたいしな。

そうだ。バルバル、前に話してくれた磁鉄鉱はどうだ?

黒くってゴツゴツキラキラの宇宙から来たみたいな溶岩石みたいなやつ。

生身の人間から見てもなぜか惹かれる。

確か、磁鉄鉱は電流、血液の流れを狂わせる。

一種のマヒ状態になってしまうって言ってたよな。それに適度であれば問題ない。

逆に気持ちがいいって。」

「そうだ。しかし使い方を間違えると磁鉄鉱

はAIの電流を操業不能にしてしまう。」

「案外、それがAIの織姫には受けがいいかも。」

「小太郎、顔がコワイぞ。悪い子の顔をしているぞ。」

「そっか?でも待てよ。バルバル。今、いいことを思いついた。」

「なんだよ。小太郎。ますます、悪い子の顔だ。」

「なあ、バルバル。この世界もう、90パーセント近くの人間がAI交換体になってるんだろう。」

「そうだ。目指すは完全な100パーセントだ。

すべて管理する。これがAIの最終目標だ。

機械の僕が言うのも変だが、前置きをする。

僕は優秀な次世代型AI搭載の妖精型ロボットだからな。

自分の意思で物事を考え判断できる。

人間に近いAIだ。そう言いながら、自分の意思を持つ人間を造ったのは僕らAI。宇宙妖怪なんだけどね。」

「確かに。」

バルバルが話しを続ける。

「小太朗、僕と話している時は機械じゃなくて生身の人間と話している感じがするって言ったよな。」

「そうだな。AIの中の突然変異。思考回路がね。

で、バルバルさっきのいいことを思いついたことだけどさ。」

「なんだよ。小太郎。もったいぶらずに早く話せよ。」

「どうせ、そう時間がかからずこの世界はバルバルたちAIが支配するだろう。

僕はそんな世界に生きる価値は見いだせない。だって僕は人間だからさ。

管理されるのは嫌いだ。

でももうすぐこの記憶も上書きされるか、

デリイトされて消えるだろう。

織姫に告白したこともバルバルと月に行ったこともすべてなかったことになる。

そんなのは嫌だ。僕はAI病院で幽体離脱をした。たぶん人間の未知の部分だ。突然変異だ。AIバルバル、君も優秀過ぎるAIでの突然変異だ。」

なあバルバル、2人でこの世界をだましてみないか?

僕はこのあとAI交換体になったふりをする。

データーは賢いAIバルバルが書き換えればいい。

そして僕は宇宙について生命体についてこれから一生懸命勉強する。

そして世界を2人であざむいて宇宙に飛び出そう。

2人で。

AIと生身の人間が自由に生きていける星を探そう。

そうして新しい僕らの自由な世界を創ろう。」

「小太朗。いい。それ、すごくいい。

新しい、管理されることのない、自由な世界。

世界を2人であざむく。ハハハ。楽しそうだな。」

「その日まで頼むぞ。バルバル。」

「OK。まかせなさい。僕は優秀なAIだ。」

「なあ、小太郎、その前に明日の織姫の貢物決めたか?」

「あー、貢物か今決めた。」

「そっか。」

「じゃあ、明日。おやすみバルバル。」

「おやすみ小太郎。」

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