第6話 AIきらら対AI舞姫

「おはよう。」

僕はいつも通り教室に入った。クラスメートの反応もいつもと変わらない。

「小太朗、こっち、こっち。」リクトが呼ぶ。タクマもいる。

「昨日、織姫に僕ら告白したけど、

クラスのみんなにバレてないようだ。」神経質なリクトが言う。

タクマも「今日は朝練の行ったけどサッカー部の友達も何も知らないようだった。

もちろん、織姫はモテるからサッカー部にも

織姫のファンがたくさんいる。

バレたらみんなから一斉に追いかけられそうだ。」

「なんだ、それ?」

よくわかんないなサッカー部。

僕も「そうだな。それで・・・」と答えて。

奥谷さんのことを言おうとした時「ガラッ」と先生が入って来た。

僕の言葉の続きが先生のドアの音でかき消された。「授業はじめます。」

後で言おう。

僕に貢物の協力者が現れたと。

30日後の貢物提出までは、フェアーでありたしな。

そう、考えながら僕は前を向いた。

僕の斜め前の奥谷さんが振り返って大きな笑顔でニッコっと僕に微笑む。

『奥谷さん、そんなにあからさまに笑顔で僕を見たら、周りのみんなが気づくだろう。

お願いだ。普通にしてくれー。」

僕のAIバルバルが「小太朗。僕にまかして。」

バルバルはどうやら奥谷さんのAI舞姫と話すつもりだ。

僕は授業に集中。『頼んだぞ。バル。』

バルバルは奥谷さんのAI舞姫と教室の後ろで話している。AI同士の会話は自分のAIの声しか、主人には聞こえない。

「奥谷さんのAI舞姫さん。僕は。」

「あー、大丈夫。小太郎のAIバルバルでしょう。」

なんだこいつ。人の話を聞かないタイプだ。

くそーAIのくせいに。人間ぽい。

まさか舞姫も新型AIか?

「舞姫さん。君のご主人に学校では小太郎にからまないでほしい。

仲がいい、目立ちすぎる行動は慎むように伝えてくれないか。」

「なんで?」

「なんでって。

考えればすぐわかることだろう。

小太郎は今、リクトやタクマと3人で織姫に告白した。3人で貢物の競い合いもしている。

そんな状態で小太郎が織姫以外の女子と仲がいいとまずいだろう。」

「どうして?」

もしかして、僕の勘違いだったか。

AI舞姫は自分で考えることのできないただの旧式か。」

「バルバル。ほんと君もご主人の小太郎に似て素直ね。顔に全部出てるわよ。

今、私のこと旧式だあーって思ったでしょう。」

「そうだ。」

「失礼な。AIね。今回の件、奥谷さんがクラスメート全員のAIに情報止めをしなかったら

今日は朝からみんなにギャンギャン3人ともいわれてかもなのに。

今日の君たちの平穏は私達のおかげよ。

感謝しなさい。」

なんだか、カチンとくる言い方だな。

思わず口にした「だから、モテないんだ。」

「バルバル、結構です。君なんか相手にしてないし。」

「僕は小太郎をそっとしていてくれって、

奥谷さんに頼んでくれってお願いしてるだけなのにさ。織姫のAIきららと大違いだな。」

妖精型AI舞姫の顔がキュキュキューっと引きつる。コワいな女子は。

そこへリクトのAIビビとタクマのAIアスちゃんが来た。

「どうした。2人ともAI同士ケンカはいけないよ。」AIビビがなだめる。

タクマの筋肉最高のアスちゃんも僕らの間に入る。

「どうした?」

AI舞姫が答える。「昨日、あなた達のご主人たちが織姫に告白したでしょう。

他にバレないように情報統制してあげたのに、小太郎に近づくなとか。ひどくない?ご主人様、奥谷さん可哀そう。好きな子のためにやったのに。

褒めるどころか、近づくなは、ないでしょう。

確かに小太郎が好きなのは織姫っては知ってるけど。奥谷さんがかわいそう。」

なぜか急にAIビビ、AIアスちゃんがAI舞姫に同情する。

「おいおい。ビビ、アスちゃんだませれるな。舞姫は新型AIだ。人間以上に能力が高い。」

「バルバルの言う通り。」織姫のAIきららが来た。

「確かに告白の件、情報統制をしてくれたことには私も織姫も感謝している。

でもこれとそれは別。勝手にした行動をほめてくれって、親切の押し売り見たい。

古臭いわね。舞姫。」

「何よ、ほんと口が悪いわね。きらら。

だからあなたのこと前からきらいなのよね。」

今度は本気でアスちゃんが「ケンカはなしだ。離れろ。

きらら、30日後の貢物提出日まで黙って見ておいてくれ。僕らの主人たちは最高の貢物を持っていくからな。」

「それは楽しみ。」

横でまたイラッとしているAI舞姫。

チャイムが鳴る。授業終了。

しっかりもののAIビビが「じゃあ解散だ。」

僕は「舞姫、学校では小太郎に近づかないように言ってくれ。頼んだぞ。」

いやそうに「わかった。」と舞姫は奥谷さんの席に戻った。

僕もスーッといつも通りに小太郎の席に行った。

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