第26話 祝い人新たに参戦

「おー何か盛り上がってんじゃねぇかっ」


声がする方を振り返ると、そこにはこれから食事予定の初葉ういはさんがいた。


「こんばんは、初葉ちゃん。今ちょうど瑠衣ちゃんが私たちの歓迎会をしてくれてて」


「へぇーそうなんかっ。じゃああたしも2人を祝わせてもらおうかなっ」


「良いんですか? 初葉さん」


「固ぇこと言うなシュウ。もうあたしらは同じ学院の生徒なんだし、仲良くなることに越したこたァねぇだろっ」


本当にスパッとした性格の人だ。運動神経もあるんだろうけど、こういう人柄だから、周りが彼女を呼ぶんだろうなぁ。


ウチは人を惹き付ける人を初めて見た気がした。


「要芽って言ったっけなっ。昨日も会ったけど、改めて。あたしは西にし初葉ういは。初葉って気軽に呼んでくれっ。よろしくなっ」


「こちらこそよろしく。初葉ちゃん」


2人は軽く挨拶を済ませると「さてと」と言って初葉さんもウチらのテーブルに座った。


「せっかくだから俐奈もここで食おうぜっ。そこに居てないでよっ」


初葉さんの視線に合わせてウチらも首を向ける。


見ると、約15mぐらい先の柱に、両手にお盆を持ちながら、おどおどとした儚い美少女が立っていた。




「(ウチのせいではあるからどうにかしたいんだけど、何が出来るんだろうか····)」




ウチはしばらく頭の中で様々な思考を巡らせていた。



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