第12話 ご挨拶完了?
りなと呼ばれるその少女は奥側でじっとしていて動く様子がない。
「まぁちょっと恥ずかしがり屋なだけだっ」
「それ以外に何か原因がある可能性は無いですかね」
よく目を凝らすと、一瞬目が合った。
色素の薄い髪に雪のようにそっと飾られている1本のヘアピン。何よりその今にも溶けて無くなってしまいそうなその美しくも儚い顔に、ウチは面食らってしまった。
サッ――――
「あらぁ、隠れちまったっ。また次だなっ」
「野生動物の調査みたいですね」
ウチの返答に対し、西さんはまた笑い、「そうかもなっ」と軽く流して、先ほどの彼女を紹介してくれた。
「あの子はあたしと同室の
「そんな呼び分けされてるんですね」
ウチの知らない学院内ローカルルールは聞けばもっと他にあるかもしれない。
「とりあえず声ぐらいかけてったらどうだいっ?」
西さんの提案にウチは頷いた。
「えーと····
シーン·········
ウチからの声かけに対して彼女が何か応答してくれる事は無かった。
「相変わらず恥ずかしがり屋だなぁっ、ははっ」
「絶対別に何か理由ありませんか?」
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