第10話 要芽と瑠衣

「じゃあ2人は地元が一緒なの?」


「そう、私と瑠衣は小学生の頃からの幼なじみで、家族ぐるみの付き合いなの。瑠衣は中学生の頃からここに受験して入って、私も高校からここに入って合格したは良いんだけど、場所が分からなくなっちゃって」


要芽さんはウチに2人の関係性を説明してくれた。


「でも、集まる場所はウチの部屋で良かったの?」


「ひでちぃだけ個室じゃん!! なら利用するしか無いでしょ!!」


縦浜学院は希望すれば寮に住めることになっていて、基本的には2人で1部屋なのだが、ウチは男子が他にいないということで現在1人状態だ。


2人は現在自分の部屋で着替えを済ませて、部屋着姿でそこにいる。

何か女子のこういったラフな格好を見るのは初めてだから、少し緊張はする。


少し沈黙を置いてから要芽さんは呟く。


「でもまさか隣とはね····」


「私は気軽に遊びに来れて良いと思う! いつでも押しかけちゃうよ〜」


運命のいたずらとはよく言ったものだ····。


「でも、そうなると必要になるなぁ····」


「何が必要なの? 秀周くん」




「両隣の手土産」


「引っ越しじゃないからいいと思うんだけど」




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