元エンペラーバンパイアの皇子だけど吸血鬼ハンター始めます

犬時保志

第1話 除籍追放

 僕が最後に見たもの、僕の胸から噴き出す真っ赤な血だった。

 至近距離で炸裂した破片が、僕の胸に突き刺さり自分の血の海に沈んだ。

『テンセイサセテ、フコウナキオクハ、ケシタホウガシアワセダロウ』


 僕の耳元で、誰か何かささやいていた、強烈な血の海の記憶がこびりついて離れず、以後血を酷く嫌悪する事になった。


『フテキトウタイシツハ、ドウシヨウモナイカ? スマン! ウマレカワッテヨイジンセイヲオクルコトヲイノル』



❮全ての発端❯


 僕はエンペラーバンパイアの皇子、貴族からいつもヨイショされるよいしょ正しい・・・違った由緒正しい高貴な生まれ! と言っても3男3女の末っ子でみそっかすです。

 紹介が卑屈? まだ12歳なのに、宮殿を追い出されトホホって途方にくれてるからだよ。


 皇帝の父が僕を追放したのには理由が在ります。

 ま、理由も無く追放はしないよね。

 秘密がバレたのですから、除籍追放は納得してます。

 この年までバレなかったのは、エンペラーバンパイアの吸血は大人になってからの嗜好品だからです。


 一昨日僕は12歳の誕生日を迎えました。

 末っ子とは言え、エンペラーバンパイア一族の誕生祝いです、伯爵以上のバンパイアが祝いに駆け付けて来ました。


 貴族達から次々祝の品が積み上げられます。


 ついに恐れていた父からの誕生祝い!

 バンパイアは血を飲み生命エナジーを摂取しています。

 でも僕は血がダメなんです血を見ると卒倒する特異体質、その代償でしょうか血を媒体にせず直に生命エナジーを吸収出来ます・・・秘密ですよ。


「アラン誕生祝いだ! かぷっと噛んでチューチューしなさい! ただし眷族にせず携帯嗜好品にしなさい」

 いつもは優しい父ですが、命令口調で自然に出てくる強烈な威圧には逆らえません! 僕の身体は僕の意思にかかわらず、父の祝い品『人間の処女』の首をカプリ!!


 僕は見てしまった白い首から溢れる赤い血を!! 瞬間卒倒してました。

 僕はバンパイアのくせに血を見ると卒倒する特異体質、当然ですが血を摂取するとアレルギー性ショックで暫く寝込む事になります。

 エンペラーバンパイアの不死性強靭な身体のお陰でショック死は有りませんが苦しい思いをするのは嫌です。


 吸血して無いのは見ていた客達にまる分かりです、初めての吸血で官能のあまり倒れたって誤魔化しも出来ず、僕の醜態しゅうたいに誕生会は中止、父は僕をエンペラーバンパイア一族から除籍追放といった処分で面目を保つ事に決定、僕は追放され途方に暮れています。


 金貨100枚の旅賃を貰い、侍女のカンミと誕生祝い人間の少女ビオラをお供に着けてくれた、父は一族の体面の為で僕が憎くて追放したのではないと信じたいです。


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