第98話

「…すみません。」



一度口を閉じた野々村夏実が最初に発したのはこれだった。



俺は飾りに引っ付いてる画鋲を外しながら



「ーーーいや、別に。



ーーっつーか、俺も今日は悪かった。」




と返した。



その瞬間、俺の中のなんかが、少しスッとした気がする。




「いえ、私も無神経な事を言ってしまったので………まさか、大谷さんがそこまでエマやこの生活を大切にしてくれてたとは思ってなかったものですから。」



「あん?」



「ーーー正直、ちょっと嬉しかったんです。」



「ーー嬉しかった?」



「はい。」



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