思い出1 【デート】
今まで描写する事が出来なかった関係性やキャラを補填する為に思い出という形で書いていこうと思います
間話のような物なので読み飛ばしていただいてもかまいません
健吾視点
暇だ、すっごく暇だ
え?勇者としての訓練があるから暇じゃ無いだろだって?
まぁ普段ならそうなんだけどね
でも数日前に遠征から帰って来たクリスティーナさんが僕達が毎日訓練させられているのを知って…
「はぁ!?毎日訓練をしているだとぉ?陛下は何を考えているのだ、一発ぶん殴ってやる!」
てなわけで長期休暇を与えられたんだけれど何せ僕はボッチだ、その上ボッチ御用達の暇つぶし道具であるスマホも使えない
僕が特にすることもなくただボーっと天井を眺めていると部屋の扉が尋常じゃ無いくらい力強く開けられた
「健吾はいるか、少し私の買い物に付き合ってもらうぞ!」
開かれた扉に恐る恐る顔を向けるとそこには当然のようにクリスティーナさんが立っていた
何だかここ最近でクリスティーナさんのイメージが大きく崩れたような気がする
「これはまた急ですね、クリスティーナさん」
「仕方がないだろうさっき急いで魔王軍の大隊を壊滅させて来たんだからな」
僕達の前にまずクリスティーナさんが休暇を貰った方が良いのでは無いだろうか…
「それより買い物って何を買うつもりなんですか?」
僕が純粋な疑問をクリスティーナさんに投げかけると彼女は顔を真っ赤にしながら叫んだ
「そんな物は決まっていない、ただお前とデートしたかっただけだ!」
僕の予想を遥かに超えた返答に放心状態になってしまった、が何度もその言葉を頭の中で繰り返すことでようやく理解した僕も顔から湯気が出るくらい真っ赤になってしまった
「よし、では早速行くぞ!健吾!」
クリスティーナさんが僕なんかをデートに誘ってくれた事はすごく嬉しいし僕も今すぐ出発したい、でもどうしても気になる事が一つ
「クリスティーナさん、もしかしてそのままの格好で行くつもりですか。」
「ん?どこかおかしいか、普通だと思うが」
「普通じゃ無いですよ!どこの誰がデートに血塗れの鎧を着ていくんですか!」
今のクリスティーナさんの姿は戦場で見るならとても頼もしいが王都を歩くには最悪な格好だ
まず魔族の返り血がこれでもかと付いているゴツゴツの鎧、二つ目はこれまた血に塗れた大剣そして最後に顔全体を覆った兜!顔見えないよ?
「む、そういうものか」
「そういうものです」
「しかし私は私服というものを持ち合わせていないぞ、仕方がないデートには騎士団の制服で行く事にしよう、では正午に王城の前で待ち合わせだ」
不安しかない
正午
数時間経ったのに、まだ不安しかない
そろそろ約束の時間だけどクリスティーナさん大丈夫かな
「すまない、待たせてしまった様だな」
「いえ、謝らないで………え?イケメン」
え?僕今からこの人の隣を歩くの?刺されないかな?いや、刺されるな…確信できる
「では先ずは居酒屋に行こう、私はお腹が空いた!」
良かった、中身はちゃんとクリスティーナさんのままだ。少し緊張が和らいだ
そこでふと疑問に思う、いったいいつからだっただろうクリスティーナさんがただお茶目で可愛い人だと気がついたのは
クリスティーナさんの第一印象は圧倒的な美と少しばかりの畏怖だった
だから無意識のうちにクリスティーナさんを避けていたこともあったのに今はこうして横に並んで歩いている
人生って不思議なものだな、異世界に来ている時点でもう不思議の域を軽く超えていると思うけど
そんな事を考えているとあっという間にクリスティーナさんが希望した最近騎士達の間で流行っている居酒屋に着いた、が!
クリスティーナさんの姿を見てざわつき始める王都の人たち
「クリスティーナ様だ」
「何か事件かしら?」
「隣にいるのは勇者か?」
まぁ予想はしていたけどまさかここまでとは思わなかった。
でもよくよく考えれば分かるはずだった
【人類最強】【平和の象徴】【最後の砦】
クリスティーナさんを表す二つ名は数多存在するがそのどれもがとても大きく計り知れない物だ
とにかくこのままではまずい事になりそうだ、残念だけどまた日をあらためて…
「事件ではない、ただのデートだ!」
クリスティーナさんがそう言った瞬間辺りが一瞬だけ静かになった後、騎士を含めその場に居た全ての男が崩れ落ちた、よく見ると女性も多い
「デデデデデ、デートトトトト、デト、デ」
「そんなバカな、我らが王国のアイドルが勇者なんかに…」
「あの男を殺して私も死ぬッ!」
するとこの騒ぎを聞きつけた巡回中の騎士達も続々と集まって来た
「久しぶりじゃな、クリスティーナ!元気にしておったか?」
運悪くこの時間帯に巡回していた騎士はクリスティーナさんに心酔しているともっぱら噂の第三騎士団長のラザリンさん
どれほど僕を殺したいんだよ運命の神はッ!
「あぁ、今も健吾とデートをするくらいには元気だ」
「クリスティーナさんはアホなんですか?殺されちゃいますよ、僕が」
「心配するな、何があろうとお前を危険に晒す事は絶対にしない!」
クリスティーナさんは大真面目なんだろうけどその発言は火に油を注ぐだけだ
「ふふ、ぬははは!そうかこの童がわしの最大の敵じゃったとは、完全に予想外じゃったぞ」
「待って下さいラザリンさん、僕の話を聞いて下さい!」
「問答無用!【特級魔法・重力球】」
その日、王都から区画が三つぐらい減った!
ちなみに区画の修繕費はラザリンとクリスティーナの給料から天引きされました
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