治してあげてよ!


アイリスにババァの腕を治してもらうために聖都に来たんだが


「頼むアイリス!ラザリン様の腕を治してくれ!」


「ぜ〜ったい!い・や・だ!」


なんでだよ!そんくらいお前なら簡単に出来るだろ!


「ふん!お前に治されるなんぞこっちから願い下げじゃ!」


ババァも余計なこと言うんじゃねぇよ!もっとにアイリスが不機嫌になるだろ!

完全に予想外だ、ババァとアイリスの相性がこんなにも悪かったなんて



アンナ視点


なんとかお嬢様から逃げられたのはいいのですが何故か帰って来てすぐに最高幹部会議に強制参加させられています


あの、私、腕とか足とか千切れちゃってるんですけど…このまま続けるんですか?


「ガランが死んだ上に王国に送り込んでいた最高幹部も撃退された、状況はますます悪くなっていますね」


「どうせぇ、まぁた何も考えずに突っ込んで行って殺されたんでしょ、それよりぃ、おめおめと逃げ帰って来たアンナに話を聞きたいのだけどぉ」


うわぁ、私を責めて来ましたよ

私この人苦手なんですよね、なんか喋り方も気持ち悪いし


【アンナを責めても仕方があるまい、それに相手はあのクリスティーナだ。】


「なにぃ?第一位のあんたまでクリスティーナとやらを恐れているわけぇ?」


【奴は化け物だ油断をしていると命はないぞ】


いま私を庇ってくれたのは最高幹部筆頭の男

非常に優秀な方なのですが声質が変なような気がします、それに加えて戦闘能力もまだまだ未知数の部分が多いので少し不気味です


「大袈裟すぎるよ、僕の神速にはそいつもついて来られないだろ?」


【油断するなと言ったはずだ、今後、我々魔王軍にとって最大の脅威となるのは英雄でも勇者でもなくクリスティーナだ】


「そこまでなの?、そいつは?」


【あぁそうだ、だからこそ奴が不在の今こそ王国へと奇襲を仕掛けるべきだ】


ほう、なかなかいい判断をしますね。お嬢様様が王都にいる時点で我々に勝ち目はないのでね


「じゃあ、僕が行って来てもいいかな?ちょうど走りたい気分だったし」


【いいだろう、しかし王国にはまだ王宮騎士団長が居る、油断はするなよ】


確かにこの方が適任そうですね


お嬢様様がいつ帰って来るのか分からない今、素早く任務を完遂する必要がある

スピード特化の人材を派遣するのが一番でしょう


ですが、この方は油断をしてしまう弱点がある念には念を入れて保険をかけておきましょうか



アイリス視点


こんのクソガキ!クリスっちにベタベタしやがってぶっ殺してやりたい!


クリスっちのお願いを断るのは悪いけれど、こいつを治すのは絶対に嫌だ!


「ふん!クリスティーナをわしに取られたからと言って駄々をこねるなぞまるで童みたいじゃな!」


は?は?は?誰が誰に取られたって?


「もう一回言ってみろよこのクソガキ!」


「何度でも言ってやるわ!クリスティーナはもうわしのものじゃ!」


こいつ一線越えやがったな、ぶち殺してやる


「【聖技・神の裁き】!死ねぇクソガキィ!」


「遂に狂いおったか!【一級魔法・火炎旋風】!」


アイリスの天をも貫く一閃とラザリンの大地を焼き尽くす魔法が激しくぶつかり合った

その余波は凄まじく、聖都のはるか上空を飛行していた一人の男を巻き込んだ


「ん?なんか降って来てる?男?」


「あ、地面に突き刺さったぞ」


重力に抗えず落ちて来たままの勢いで地面に突き刺さった男はエルヘム王国の王都へと向かっていた『神速』の二つ名を持つ第七位の魔王軍最高幹部であった


「まさかバレていたなんてね、これが第一位が警戒していたクリスティーナの実力ってことかな?」


男は何事も無かったように顔をキリッとさせてカッコをつけるがアイリスは目の前の男のそんなダサすぎる行動など全く気にもならなかった


何故ならば


こいつクリスっちのことを呼び捨てにしやがった!殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!


アイリスの中にあった感情は激しい怒りで埋め尽くされていたからである


「【聖技・神の天秤】!」


「我が最愛のクリスティーナをお前のような男が呼び捨てにするとは!許せん!【特級魔法・重力球】!」


クソガキも私と同じことを思ったのか目の前の軽薄そうな男に向けて魔法を放つ

こいつ意外と気が合うかもしれない、ちょっとだけ見直した


「な!?君たちは本当に野蛮だね!【神速】!でもそんな遅い攻撃は僕には当たらないよ!」


このクソ男!ちょこまかと逃げやがって!うざいんだよ!


「【聖技・光の雨】!」


でも当たらないのならば、より多く攻撃を放つまで!


「【神速・連続】、数を増やせば当たると思った?無駄だよ、む〜だ!魔王軍最高幹部である僕にそんな攻撃は無意味だよ!」


「ちっ!素早い!」


なかなか攻撃が当たらずにいると私の真横を何かが通り過ぎた



「【剣技・滅刃】!」


「へっ!?嘘だろ、おい!…ぶへっ!!!」


へ?クリスっち?なんでいきなり攻撃したの?いや、別にいいんだけどさ、なんで?



クリスティーナ視点


やばい!やばい!やばい!やばい!やばい!こいつらの喧嘩で教会が吹き飛んだ


確実に怒られる


ん?なんか男が地面に突き刺さっている、まさか民間人か?そうなのか?だとしたら本当にまずい、聖女と騎士団長が民間人を傷つけることなどあってはならないからだ


「【聖技・神の天秤】!」


「【特級魔法・重力球】!」


何やってんのお前ら?!そいつが民間人だったらどうするのさ!

てかそいつ強いな、あの数の攻撃を全て避けるのか


「…魔王軍最高幹部であるこの僕に………」


こいつ最高幹部だったのかよ、色々腑に落ちたぜ


待てよ、教会を更地にした罪を全てこいつに押し付ければ俺は怒られなくて済むのでは?


今日の俺は冴えてるぜ!


「【剣技・滅刃】!」


やべっ!予想以上に吹き飛ばしちまった、死んでないよな


「がはっ!どうやら僕は君のことを甘く見過ぎていたようだ、でも、僕一人を止めたところで、もう手遅れだ、今頃王都には第五位の『虚言』が奇襲を仕掛けているだろうね」


『虚言』?奇襲?何言ってんだこいつ?


「奇襲じゃと!まずいぞクリスティーナ!このままでは王国が、滅亡してしまう!」






登場人物紹介


魔王軍最高幹部 第七位『神速』

最高幹部の中では最下位だが聖女と騎士団長が束になっても勝てない強さを持つ

速さ重視の戦い方をする、油断による隙が多い






次はざまぁ系主人公くんメインでいこうと思います





































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