異世界で美少女に転生したら〜欲望のままに異世界を旅する〜 異世界TS冒険譚

ツッキー

第1話寝てたら異世界転移?

 目が覚めると、そこには雄大な自然が広がっていた。


 青い空の下、どこまでも続く草原と森、遠くには川も見える。草原を吹き抜ける風がほのかに草木の香りを運んできて、遠くには見たこともないカラフルな鳥が飛び交っている


 最初は夢だと思った。


 いや、たちの悪い夢だと思いたかった


 風に靡き、太陽の光を受けて、白金にも見える長く美しい白い髪。傷ひとつない、白くきめ細やかな肌。



「どうして…どうしてこうなった〜〜〜〜! 何で、俺が女になっているんだよ!!」



 俺の名前は……??? だめだ、自分の名前が思い出せない。高校二年生の帰宅部。昨日は学校が終わったらすぐに帰宅して漫画を読んで、それから……ダメだ、思い出せない。


「どうなってんだ!!」


 草原で一人、頭を抱え膝から崩れ落ちた


「どうして……こんなことが……」


 頭を抱えたまま、草の中で膝を抱えて呟く。目を閉じて、深呼吸を繰り返す。どんなに思い出そうとしても、自分の名前が出てこない


 どうしてこんな姿になったのか。なぜ、こんな異世界にいるのか。全てがわからない




 もうなってしまったものは仕方がない。心に区切りをつけなければ、先に進むことはできない


 まずは、いろいろ確認しないとダメだよな。女になったんだから、体のことも確認しないと。


 顔は鏡がないからわからないけど、髪の毛は腰まで届くぐらいのストレートの白髪で、光の当たり方次第ではプラチナブロンドにも見えるかな? めっちゃサラサラでキレイ。


 身長は140cmぐらいかな。お手手が小さい。胸は……この歳にしては大きいのかな? ふむふむ、柔らかい。


 服装は、部屋で着てた黒のジャージのままだ。裾をまくっておこ。サイズが合ってないから、だぼだぼだな。


 そして当然のように俺の息子は消えていた。

 一緒に転生できなかったようだ


 俺の息子がいなくなっても、心は男だ。女の体なら、かわいい美少女と仲良くなれるかもしれない。ポジティブに考えよう。


 せめて一回使うまでは残っていて欲しかった(泣)


「これはあれかな? ラノベなどでよくある異世界転生なのか?」


 どうだろう、でも俺は死んでないよね?

 アニメや漫画でよく見る神様転生じゃあないだろうし


 異世界転生じゃなくて異世界転移(性転換)かな? まあ、いまはどっちでもいいけど。


「異世界といったらやっぱステータスだよな」


「『ステータス』オープン」

 ――


【ステータス】

 名前(未設定)

 年齢:13

 職業:――

 Level 0

 筋力 1

 体力 2

 頑丈 1

 魔力 8

 知力 3


【スキル】

 鑑定(Level 1)


【固有スキル】

 環境適応


 マジで頭の中に出てきた。


「マジで出て来たやっぱり異世界って、レベルやステータスあるのか!!」



 でも助かった。これはあれかな?

 ゲームみたいにレベルとステータスを上げれば無双できるのでは?



 ステータスをよく見てみると、名前が(未設定)ってなってるし、自由につけていいんだろうか?


 女になったんだから、元の名前使えないし、てか覚えてないし。しかも年齢13って若返ってるよ、どういうこと?



 まあ、後でじっくり考えよう


 職業のことは何もわからないから後回しだ





 ステータスは、魔力が他に比べて高いな魔法使い型かな?

 これはいずれ、魔法を覚えてみたい


『魔法はロマンだ』




 物理は……うん、レベルアップに期待しよう




「次はお待ちかね、みんな大好きスキルを調べてみよう!」


 ――


【スキル】

 鑑定(Level 1) 鑑定できる


【固有スキル】

 環境適応    環境に適応できる


「情報少っ!?」


 固有スキルってのが人間の固有なのか俺個人の固有なのかわからないけど


 環境適応は暑さや寒さなどに適応できるスキルだろうか? いずれにしても、機会があったら調べてみるしかない。



 次は鑑定だ。異世界の大定番で、Levelを上げればチートになるかもしれない。そこらにあるもの片っ端から鑑定していこう


もうちょっと、戦いで使えるスキルが欲しいけど




 あたりを見回しても、何もない。木々が生い茂り、薄暗い森とどこまでも続く草原しか見当たらない。ずっとここにいるわけにもいかないから、ひとまず街か人がいるところを探さないといけない。


 せめて街中スタートにしてくれれば良かったのに。


 道もないから、さっき遠くに見えた川を目指して、草原をまっすぐ行くしかない。


 人里があることを祈ろう。





 




 ――


 かれこれ一時間ぐらい歩いたが、今だ森と草原しか見当たらない。


「泣いていいかな(泣)」


 これじゃあ、森や草原で一夜を過ごさなくてはいけないかもしれない。どうしよう、今の俺は小動物にすら負ける自信がある。野宿の仕方なんて、知らない。


 ――


 さらに半日、草原を歩き続けた。

 疲れた、お腹がすいた、喉が渇いた。

 もう草原は見飽きた。そこらへんの物を片っ端から鑑定してみても、ロクなものがない。


【雑草】【雑草】【雑草】【雑草】【雑草】……


「鑑定のLevelが2に上がりました」


【雑草】【雑草】【雑草】【雑草】……


 せめてもの救いか、鑑定のレベルが2に上がった。

 もう辺りは夕暮れ。俺の異世界TS生活は、どうなってしまうんだろう?(涙目)


【ステータス】

 名前(未設定)

 年齢:13

 職業:――

 Level 0

 筋力 1

 体力 2

 頑丈 1

 魔力 8

 知力 3


【スキル】

 鑑定(Level 1→2)


【固有スキル】

 環境適応


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