EP.05「天使とドラゴンフルーツ」 その3
03
……なんだろう……今日の俺はドSだからか……すっごい〝その気〟が湧き上がる……
ジンジンくる。ビリビリしてる。
女神様が耳元で囁く。
「アマクニ、あの子に〝イタズラ〟しなさい。女神様の命令です」
はい。
はいっ! はいっ! はいっ!
アマクニ行きますっ! 天使にイタズラしますっ!
うっはぁああああっ!
天使のおっぱい、でけぇえええっ!
「ターメイヤ。両手の拘束を解いてさしあげなさい」
「ウィーン、ガシャン!」
ターメイヤちゃんが毛糸を千切る。ダティアは両手だけ自由になった。
「ダティア。何をしているのです」
「は、はいっ!」
「この男へ奉仕しなさい。もし、ちょっとでも逆らったら……わかってますね?」
「ひっ!」
「返事は?」
「はいっ、はいっ……も、もちろんですぅ! 女神様は常に正しいですっ……女神様は絶対ですっ……えへっ、えへへへぇ……」
どう見ても顔が引きつっている。
きっと、この人、天界でも心底怯えながら女神様のお世話をしていたのだろう。そんな気がする。
「では、二人とも……抱き合いなさい」
女神様の命令で、俺とダティアは互いの胸を寄せ、ハグをする。
おっぱいでけぇ。
ダティアは細身で、女神様の体とはまた違う。女神様は全身が柔らかいが、この人は細身でものすごく軽い。骨っぽくてリアルな女性の体つきだ。信じられないほどの非力な体。そんで胸部だけ大きい。おっぱい超大きい。
俺はご満悦。
ダディアは「うげっ、最悪……」という顔。
俺の体は正直だけれど、精神的に傷つく。
「さてと。アマクニ、あなた大根を持ってますね」
はい。俺は大根を持っています。
今日の夕飯は大根のとろとろ煮の予定でした。白米にとっても合うんです。
俺は買い物袋から大根を取り出した。
「ダティア、そのアマクニの手にした大根をさすりなさい」
「……は、はい……」
ダティアは嫌々俺の大根の先っちょに触れた。細くて弱々しい指、しかも震えているそれが表面を撫でる。とても優しく。背徳感とその心地よさに、俺の大根が震える。
見ると、ダティアは嫌そうな顔。
「なんで……なんで、大根なんかを……うぐぅ……」
「ところでダティア」女神がダディアの後ろから囁く。
「あっ、は、はいぃ!」
「あなた、スリットの中にドラゴンフルーツを持っていますね?」
「はい、なぜかドラゴンフルーツを持っていますぅ……」
ダティアの服装は下半身が古代エジプトの「ロインクロス」という下着に似ている。形だけで言えばチャイナドレスの両側スリットと表現すればわかりやすいだろうか。ほとんど腰から垂らした布であり、日本語ならば「ふんどし」「前かけ」と表現するだろう。というか「ふんどし」が英語では「
その内側に、ダティアはドラゴンフルーツを隠していた。
……なんでだ?
「よろしい。では、アマクニはそのドラゴンフルーツを撫でなさい」
いいのだろうか。俺が天使の生ドラゴンフルーツに直接触れていいのだろうか。
ダティアは俺に怯えた顔を向ける。今にでも泣き叫びそうな顔だ。
その背徳感が俺の情欲を刺激する。
ドクン、ドクン、と胸を打つ。
「やりなさい、アマクニ。そのドラゴンフルーツを揉みくちゃにするのです。ダティアも嬉しいですよね?」
「し、恐悦至極ですぅ……」
ダティアの顔がさらにゆがむ。
「ほら、やりなさい。天使が求めているのですよ」
これはもう逃れられない。
俺はダティアが手にしたドラゴンフルーツの表面を撫でた。表面が結露していた。みずみずしい。それの弾力を指先に感じると──
「ひぃんっ!」
ダティアが背筋を強張らせ、のけぞった。反射的に彼女の手に力が入る……するとどうだろう。俺が手にしていた大根を撫でる彼女の指にも力が入った。ぐっ、と押し込まれて俺にもダメージだ。そうすると俺の体に力が入り、優しくするだったはずが、彼女の生ドラゴンフルーツを思わずぎゅっと掴んでしまう。
途端、彼女は顔を真っ赤にして、歯を食いしばった。
「んぅううううっ! まっ……まってぇ……ダメッ、ダメぇっ……」
びくん、びくんと彼女は悶える。
彼女の手が痙攣した。俺が手にしていた大根を掴みブルブルと震わせた。
しかし、そんなことをされたら俺の手だって、反射的に生ドラゴンフルーツを揉みしだいてしまう。
相互でこれを繰りかえす。
俺が手にしていた大根を、彼女は強く握って撫で回す。
彼女が持っていた生ドラゴンフルーツの表面に、俺の指が柔らかくめり込んで、内側の果肉を揉みしだく。
ともかく互いに自分を止められず、どんどん手を激しくしてしまうのだ。
「んぐっ……あぅっ……」
ダティアが喘ぐ。
俺も声を押し殺すのに必死だ。快楽の波が襲ってくるのだ。
「あっはっはっ! よいですよ二人ともっ! そのまま互いの青果を刺激しあいなさいっ! ああ、いいことを思いつきました。ちょっとしたお遊戯にしましょう……二人とも、そのまま愛し合いながら聞きなさい。その奉仕、先に果てた方の負けです」
へっ? ま、負けっ?
先に相手を満足させたほうが勝ちってことっ!?
……嫌な予感だ。それ負けた方はどうなるんだ……
「ふふっ……負けてしまった方は、女神の罰ゲームですっ!」
「──っ! こ、こんなっ……人間のオスなんかにぃっ……」
発破をかけられたダティアの手が激しくなった。
俺の大根はそれはもうひどい扱いだ。
さすっ、さすっ、と上下に撫でられる。
しかし、俺の体だってそれに反応してしまうから、彼女の生ドラゴンフルーツをぐじゅぐじゅに揉みしだいてしまう。皮の内側が果汁で溢れるはずだ。
彼女の体はすぐに反応する。
「ひぃいああっ!? そ、そんなっ……あぐ、やばっ……こんなのすぐにぃいっ……」
先に限界を迎えそうになったのはダティアだった。
彼女はついに手を止めてしまい、俺に懇願する。
「あぁああああっ! ──もうだめっ、だめぇっ……無理無理っ……負ける、負けちゃうぅっ……嫌だぁっ……お願いっ……ア、アマクニ様ぁ、一回手を止めてくださいぃいいっ……お願いしますっ! お願いしますぅ! ひぃいいっ、お願いぃいいっ……助けてぇええっ……」
その情けない声に俺の理性が働いた。
一旦手を緩める。止めてはいけないのだろうが、嫌だと言われたことを続けることは俺にはできない。彼女の生ドラゴンフルーツを崩したい欲求よりも、罪悪感が上回った。
ダティアは、水面に顔を出した鯉のよう、つま先立ちで顔を上げて苦しい息をする。虚ろな目で俺にしがみついている。体重を預けてくるので俺はそれを支えた。彼女は今にも膝から崩れ落ちてしまいそうだ。
「……ふっ……はぁ、はぁ……こんなっ……人間のオスなんかにぃ……」
「おやおや、なんと無様なのでしょう。ふははっ!」
女神様は大喜び。
未だ子鹿のように足をガタガタ震わせるダディアの耳元で煽る。
「あなた、人間の男に負けそうになったのですかぁ? 天界ではあれだけヒトを馬鹿にしていたのに、男と同じ条件で撫であって、先に限界を迎えてしまいそうなのですかぁ?」
「~~っ!」
「はぁ……なんと情けないのでしょう。それでよくわたしに逆らおうなんて考えましたねぇ。仕事もできない、罠も失敗、人間にはもて遊ばれる……あなた、何ならまともにできるのですかぁ?」
「うっ……うぅ……うぇえええん……」
俺の胸の中でダティアは泣いた。
その状態で、必死で俺にしがみつく。やがて耳元に顔を寄せて、俺にだけ聞こえるように小さく声を出す。
「ア……アマクニ様ぁ……あの……お、お願いがあります……」
「えっ──」
「その……て、手加減をしてくださいっ……わ、わたくしに、勝ちを譲ってくださいぃ……」
それって。
八百長しろってこと?
「……このまま先にわたくしが果てたらっ……一生、あの女神の笑いの種にされてしまいますっ……何度も何度もこのことを話題にあげて馬鹿にするに決まってます……天界でも、いつもこうして笑いものにされて……もう耐えられません……情けないことを言っているのはわかっています。都合のいいことを言っている自覚はあります……でも……お願い……どうかぁ……」
「…………」
「あとで土下座でも何でもしますっ……こ、この体を自由にしても構いませんっ……何度でもあなた様に奉仕いたしますっ……あなたのものになりますっ……ですから、お願いです。今回だけは勝ちを譲ってくださいっ……見ておわかりかと思いますが、わたくし、もう本当に限界なんですっ……よくわかりました……あなたには勝てませんっ……」
「そ、そんなの──」
「お願い……助けて……」
泣き顔の上目遣いだ。
さすがの俺も、これ以上追い詰めるのは気が引ける。
女神の罰ゲームは受けたくないが……まぁ、俺が受ける分にはたぶん大事には至らないだろう。しかたない。
俺は小さく頷く。
「あ、ありがとうございますっ……あ、あとでお礼しますからね? 天使は嘘をつきません……」
ダティアは俺の大根をさすりはじめた。
俺は手加減をする。彼女の生ドラゴンフルーツを、なるべく、優しくさする。
ダティアが激しく大根を扱いはじめても、俺は彼女を責めなかった。このままなすがままにしていれば、俺は負けるだろう。
「……ど、どうでしょう……気持ちいいですか? アマクニ様……」
ものすごく。
ものすごくいい。
一方的にされているだけでなく、互いに責め合っている状況というのは不思議だ。負けたくないのに負けたい、その心境の板挟みになる。果ないよう食いしばる心と、快楽に負けたい本心がせめぎ合うのだ。
ああ、でも今回は負ける。
この哀れな天使のために負けてあげるのだ。
「もう少し、でしょうか……? アマクニ様、果てそうですか……?」
ああ、そうかも。大根はさすられ過ぎて、何かしらの汁を漏らしてしまうと思う。
「そう……ですか。ふっ……負けそうなんですね……ぷふふっ……」
ダティアが笑う。
俺の顔を見て、顔を饅頭のように歪める。
「ひひっ……ひひゃはははははっ! 負けるんですねっ!? 人間のオスっ! もう負け確定なんですねっ!? きゃははっ! やった、やったぁ! わたくしの勝ちですっ! ふひひっ……ぎゃははははっ!」
な、なにっ……
「ぶぁ~かっ! 簡単に騙されてやんのぉっ! これだから人間のオスは嫌いなんですよぉ! ちょっと泣いてお願いしたらこれですもん、脳みそ空っぽアホアホ生物なんですかぁ? てめぇみたいなのが天使に優しくしたところで碌なことあるわけねぇじゃねぇですかぁっ! ぶぁ~かっ! あひゃひゃひゃっ! ぶぁ~か、ぶぁ~か、ぶぁ~かっ!」
こっ……このっ……
この、クズ天使ぃいいいいっ!
女神がゲスなら、天使もやっぱり心底クズなのかよぉおおっ!
ちょっとでも哀れに思った俺が馬鹿だったぁああっ!
ちくしょぉおおおおっ!
「ぼひゃひゃひゃっ! げひゃひゃひゃひゃっ! おらぁ、とっとと大根汁ぶちまけろぉっ! ついでにへし折れてブリ大根にでもなっちまえぇっ! きっひゃっひゃっひゃっ!」
な、なんて汚い笑い方なんだ。俺はそういうの好きだけど、それはそれとして許さんぞ。このクズ天使めっ!
俺は右手を動かす。彼女が手にしていた生ドラゴンフルーツに指を押し込み、ぐにゅりぐにゅりと揉みしだいた。
「えっ──ちょ、待ってっ……んぐぅっ!? うそでしょっ……こ、この状況で反撃なんてずるいっ……」
思わぬ刺激に、ダティアの体が一気に高まる。
やはり彼女は責められるのに弱いらしい。というか弱すぎる。
「ひぃいいいっ!? 待って、待ってっ……くぅううっ!? こ、このっ……おとなしくしなさいぃいっ!」
ダティアが乱雑に大根を磨く。
だが、その手の力はすぐに抜けた。
俺の責めにぜんぜん耐えられないのだ。
ダティアの手が完全に止まった。彼女はもうそれどころではない。
「~~~~っ!」
俺が揉みしだくから、生ドラゴンフルーツの中身がドロドロになって、彼女は悶えて、目から涙をこぼした。
首を横に降って懇願をはじめた。
「……嫌だっ……嫌だ、嫌だっぁ……待ってよ、アマクニ……じゃなくてアマクニ様ぁっ! か、勝ちを譲ってくれるって言ったじゃないですかぁ…………ひぃっ、ひぃっ……ちょ、ちょっと、本当にこのままじゃやばいっ……ま、負けるぅ……人間のオスなんかにぃいいっ…………ご、ごめんなさいっ……ごめんなさいっ! ごめんなさいぃいっ! 許してくださいアマクニさぁんっ! 手を止めてっ! 私、なんでもしますからぁあっ! ひぃいいっ! ギブっ! ギブアップぅっ! 降伏しますっ! だから、お願いっ! いやぁあっ!」
彼女が俺の肩を叩く。降参の合図だろう。
だけど、背後に回った女神が俺に囁くのだ。
「そのまま、とどめを刺しなさい。どうせ、また裏切りますよ」
「──ひぃいいいいっ!?」
言われなくともそのつもりだ。俺は一切の容赦なくダティアが手にしていた生ドラゴンフルーツを揉み続けた。
ダティアはつま先立ちになり、俺の肩にしがみつき、体をのけぞらせた。
「──────っ!」
そして、果汁を溢れさせた。
その瞬間のダティアは声を上げなかった。ただ仰け反り、体を震わせて、その果てる感覚を全身で表現していた。
「……かはぅっ! こひゅ……こひゅ……」
やがて、放心した顔ではじめる浅い息。その声が汚い。クズにふさわしい無様な姿だ。
俺は彼女を優しく床に寝かせる。敗者にこれ以上の仕打ちは必要ないだろう。
……と、俺はそう思っていたのだが、やはりゲス女神様はそうでもないようで、悪魔的な笑みで俺をそそのかす。
「さぁて、アマクニ。ここからがお楽しみの罰ゲームですよ。抵抗力を失ったそのクズ天使をわからせて、徹底的に上下関係を教え込んであげましょうか……ふふっ……」
その笑みを見てしまったダティアが、びくりと震える。
弱々しく後退りする。だが、足がほとんど動いていない。もう下半身に力が入らないのだ。
逃げることもできず、見下す俺たちに恐怖の顔を向けて、ただ怯える。
またも涙をこぼして許しを請う。
「えっ……アマクニ様……め、女神様……? う、嘘ですよね……? もう私、なにもできませんよ……抵抗力ゼロのクソザコ天使です…………待ってください、もう充分です……えへへ、私の心ポッキリ折れちゃいましたよぉ~……反抗の意志なんてもうないです……ねっ? だからぁ…………に、二度と逆らいませんっ……お願いです、もう許して……なんでもしますからっ……」
「いいえ。あなたはまた裏切りますよ。アマクニも見たでしょう。この者はいたずらが大好きで、少し隙を見せればすぐに良からぬことを企むのです。ですから、側に置いておいたのです。絶望を植えつけて反逆心を根こそぎ奪いましょう。〝はい〟と〝わんっ〟しか言えないようにしてあげましょう」
「ひぃいいいっ! それだけはぁっ! ……わ、わんっ! わんっ! わんっ! ほら、もう犬のように鳴きますよっ! 女神様のためなら犬にでも豚にでもなんでもなりますよぉっ!」
俺は手にしていた大根を彼女に向ける。その固いものに彼女は息を飲む。これから何をされるか察したのだろう。
もう腰の力が抜けているのに、さらなる凌辱を受けるとわかってしまったのだ。
ああ。その想像どおりだ。やってやろう。
俺は大根を振りかぶる。
「あっ……ああっ……ひぃやぁあああっ! やめてぇえええっ! アマクニさまぁあああっ!」
「やりなさい、アマクニ」
はい、女神様。
俺は命令どおり……床に転がっていた生ドラゴンフルーツを大根で叩いた。ぐじゅり、トロトロのジュースになっていた中身があふれ出した。
ダティアは叫ぶ。
「あぁああああっ! わたくしのドラゴンフルーツがぁああっ! ぐちゃぐちゃになった、わたくしのドラゴンフルーツがぁああっ!」
「あっはっはっ! さぁ、アマクニ。一心不乱に大根を叩きつけなさい。二度と見れないよう、果肉をぶちまけなさいっ! ほら、ほら、いっち、にっ、いっち、にっ!」
「わたくしのドラゴンフルーツぅうううっ! 大切なドラゴンフルーツぅううううっ!」
「あっはっはっはっ!」
それからも俺は原型がなくなるまでドラゴンフルーツを叩き続けた。果肉のすべてを木端微塵に変え、真っ赤な汁を床に広げた。
……これ掃除するの俺なんだけどなぁ……
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