第28話 ダンジョン都市「ルゼンナ」

 鍛冶師の里・炉霧山を後にしたリクたちはダンジョン都市「ルゼンナ」へと向かった。


 そこには、冒険者たちが日々潜る巨大迷宮が存在しており、昼夜を問わず、迷宮を目指す者たちの喧騒に満ちていた。


 リクたちは、まずギルドへと向かった。目的は迷宮探索の正式な手続きだ。


 ギルドの受付には、眼鏡をかけた無表情気味の女性職員が座っていた。


 受付嬢:「ようこそルゼンナ支部へ。迷宮探索の申請ですね?」


 リク:「うん、とりあえず潜ってみようかと」


 受付嬢:「登録名を確認します。……リクさん、リリアさん、そして……“シフ”さん?」


 彼女は首をかしげ、シフを見る。


 受付嬢:「……申し訳ありませんが、シフさんについては、“従魔登録”されていませんので、登録が必要となります」


リリア:「え、従魔って登録いるの?」


 受付嬢:「はい。さらに、ルゼンナではダンジョンの安全管理上、最低3名以上のパーティーでなければ、第一層すら入場を許可できません。申請者が人間2名と従魔1体では……申し訳ありませんが、人数が足りません」


 リク:「……え、そうなの?」


 受付嬢:「規定ですので。ましてや、お二人は共にFランク、無理をさせるわけにはいきません。」


 リリア:「ってことは……あと一人、誰か仲間が必要ってことね」


 リク:「どこかでスカウトするしかないかぁ……」


 受付嬢:「ギルド内にてパーティーメンバーをレンタルすることもできますので、ご希望であれば、あちらのカウンターをご利用ください」


こうして、“ダンジョン”への第一歩は、予想外に書類と人集めから始まった――。

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