第11話 夜空の攻防戦

キィィィイーーーン

ズギュ――――ン

闇夜に戦闘小型魔空機が前方の魔空母戦機を猛追して高速飛行していた。

両機ともマナ(魔力)で飛行する戦闘用飛行機であった。

ただ小型の魔空機は高速使用で魔空母戦機は主に重要物運搬用である。

そんな小型の魔空機に乗っている者たちは重大な使命を帯びていた。


「やっと追いついた」


「追い付いただけだぞ、キュリヤ気を抜くな!」


「分かっている、シグム!必ず姫はワレが助ける」


「私たちでしょ!いつもキュリヤは一人で、なんでも・・・」


「まぁまぁエアロン、仕方ないですよ、あの状況でしたから、それよりクーノ敵は感知できましたか?」


「ああ、もう近いで!ディ」

「そろそろ皆、行く用意しいや」


ユミアは九郎(ウルク)を神樹に預けるため神樹の門を開き、神樹から貰った力のツウジン(神力)が極端に無くなっていた。


キュリヤやその仲間の勇者パーティが守っていたが、その数年後どこかの世界の敵にユミアを攫われてしまった。


勇者パーティは必死にユミアを奪われた世界を捜索し数十年後、ユミアを乗せた魔空母戦機の情報を得た。


そして今、ユミアを救出すべく闇夜の空に勇者パーティが飛ぶ。


勇者パーティのリーダー、勇者シグム(人族)、金髪で背丈が1M80ほどの人種、剣術・魔術を扱い特殊勇者スキルで自分より強い敵と相対した場合、敵より強くなるブーストを持つ。


女戦士キュリヤ(アマゾネス族)、赤髪で大剣を操る2Mほどの巨躯のアマゾネス、怪力でマナ(魔力)も大きく種族の魔術も強力。


大魔導士エアロン(エルフ族)、緑髪の美女子で背丈は1M50ほど長寿なエルフで数百年鍛錬し誰よりもマナ(魔力)が大きくほぼ全ての魔術を使える。


獣忍者クーノ(獣人族)、背丈が1Mほどのコアラ型の忍者、魔術や忍びの武具を使い斥候や潜入を得意とする、もちろん戦闘力も強い。


弓使い僧侶ディ(天使族)、40歳ほどで背丈が1M75ほどいつもは服で隠れているが背に小さな翼をもつ回復魔術や弓での攻撃をする。


勇者パーティは背中にマナ(魔力)で動く魔機ジェットを背負い闇夜の雲の上を定速で飛ぶ魔空母戦機に取り付いていく。


「エアロン、鍵解除魔術で敵に気づかれずに中に入るぞ」


「了解、シグム!皆!行くわよ」


ユミアを誘拐した国は魔人機やAIサイボーグが支配する世界の国であった。

その国の名は【ジューダス戦機国】、しかし国ではユミアの使い道がなくユミアを欲する国に取引材料として輸送する際中であった。


魔空母戦機の側面ハッチを魔術で開け勇者パーティは侵入に成功する。

しかし敵はそんなに甘くはなかった。

魔機器の開発が最先端を行くこの魔空母戦機は侵入者を許さなかった。


ビィーービィーーー


センサーが反応し侵入者を排除しようと防御魔戦機が動き出す。


クーノが叫ぶ「皆!!見つかったー!!」


シグムが高速で敵のドローン型戦機を切り捨てていき、エアロンが防御魔術で皆を銃機器より発射された魔弾を弾き、クーノが先行し侵入していき、ディが弓で防御獣型AIサイボーグを魔矢で撃ち抜いて行く。


シグム:「クーノ任せたぞ、ユミア様を探してくれ」


クーノ:「任せろ!見つけたら連絡する」

勇者パーティは魔術で探知されにくい思念通信が可能であった。


クーノは魔空母戦機の後方部にある格納庫にたどり着き中に侵入する。


そこで囚われているユミアを発見する。


「なっ!なんやこれは!!」

{皆、姫を見つけたで、直ぐに思念で送った場所に集合や}


{{{{了解}}}}


クーノ以外の勇者パーティが敵を薙ぎ払いながら高速でクーノの居る格納庫に到着する。


キュリヤ:「ユミア様は大丈夫か!!!」

クーノ:「まーこっち来て、見てみーや」

シグム:「こっ・・これは」


シグム他、勇者パーティは言葉を失ってしまう。

ユミアは全身を大きな水晶の中に囚われていた。

そして格納庫に防御獣型AIサイボーグでは無い、青い亜人で片丸メガネの高身長の中年男が数名のAIサイボーグ兵士を連れて入って来た。


「これは、これは御高名な勇者パーティ様ではありませんか」

「お初にお目に掛かります、私『ジューダス戦機国』少将のエイムと申します」

「姫を奪いに来るなら盗賊系のパーティが来ると思っていましたよ」


キュリヤ:「きさまー!!!ユミア様に何をした!!!」


エイム:「くっくっ、何もしていませんよ、姫様のお身体を調べようとして拒絶した姫自身が水晶で全身を包んでしまいましたからね~」


シグム:「その話を信じると思うのか!」


エイム:「どちらでも構いませんよ、姫はどのみち奪えませんからね」


敵少将のエイムが言ったことは本当であった。

ジューダス戦機国はユミアの力を解析し自国の研究材料にしようとしたが、薬で眠るユミアに検査機を押し当てた時にユミアの身体が光だしどこからか出てきた水晶に全身を覆いつくしていた。

水晶を破壊しようと色々と試したが破壊した先から復元してしまう水晶に手が出せなくなってしまう。

そこでユミアを欲していた『ナーガティ女王国』と取引をし、ユミアを搬送していた。


「では、これで姫は単独で中継地点まで送りましょう」

敵少将のエイムはそう言うと手荷物スイッチを押す。


ギイーーン、ガシャン


無数のアームが姫の水晶を覆い大型のドローンが出現する。

格納庫の後ろのハッチが開き、その開いたハッチから姫の水晶を抱えたドローンが正に飛び立とうとしていた。


シグム:「させるか!!!」


シグムとキュリヤが姫を奪うドローンに高速で向かい、クーノ・エアロン・ディは姫に向かいながら敵に魔術を放つ。


三者の魔術は片手を上げ鋼鉄の盾が出現したエイムにより防がれてしまう。

そして勇者パーティは姫のドローンを追い敵魔空母戦機から闇夜の空に飛び出して行く。


ゴーーー

ドローンが加速し勇者パーティの一人エアロンの飛行魔術では追いつけない。


エアロン:「どうするの!!シグム!!!」

キュリヤ:「ユミア様を絶対助ける」

ディ:「でも、このままでは追いつきませんよ」

クーノ:「一応発信装置は付けてあるで」

シグム:「・・・・このままでは又、敵手中のままだ」

「だから、ドローンを攻撃する」

キュリヤ:「ユミア様が怪我をされるのではないか?!」

シグム:「多分、大丈夫だあの水晶が守ってくれる」


そう皆に言うとシグムは剣を大きく振りかぶり剣が光りだす。


「アララハギ流聖剣・イアムフィア(閃光剣)!!!」

シグムはそう叫ぶと剣を上段から下段に高速で振りぬき剣より発した光の剣がドローンを切り裂く。


ドグワーーン!

ドローンがシグムに切られたと同時に敵魔空母戦機から勇者パーティにミサイル攻撃が届く。

その攻撃により勇者パーティ散り散りに落下していく。


キュリヤ:「ユミア様!!!!」

シグム:「くそ!後ろから攻撃か!」

ディ:「この怪我ではしばらく動けません」

エアロン:「しまった!今の攻撃で飛行魔術が解けてしまった」

クーノ:「一旦、個々で下の森に降下して、後で集合やで」


{{{{了解!!}}}}


そして個々に落ちていく勇者パーティとユミアの水晶であった。

ユミアの水晶は勇者パーティから視認できるギリギリの位置であったが、勇者パーティ全員は諦めていない、必ずユミアを救う決意を持ち落下していく。


そして運命は動きだす、二人の再会と共に。



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