第3話 極論、推理小説に『犯人』は必要ない
ミステリーが思い浮かびました!
『A君とBちゃんは幼馴染の高校生。今日も元気に登校します。二人とも日の出とともに起床したのですが、A君だけが寝坊で遅刻になりました。どうしてでしょう?』
うーん……突発的に思いついたミステリーなんで……これいっそもうナゾナゾですね。もうちょっと隙がないようにブラッシュアップしたいものです。
ちなみに、このナゾナゾ、今回の話の内容にはいっさい関係ありません。でもミステリーについて考え込んでいると、ナゾナゾが思い浮かんでしまうのは仕方ないことですよね?
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さて今回の話の趣旨は「極論、推理小説に『犯人』は必要ない」です。
多少、キャッチーな物言いを意識していて、反発うけそうな主張になっておりますがご容赦ください。正確には『極端な例えとして、推理小説は【犯人】を特定する
前回、お話ししたように私はアニメ『氷菓』を見た時に初めて「日常ミステリ」というジャンルを知ったのですが……これがカルチャーショックだったんですよね。
では、そのカルチャーショックを説明するために『氷菓』という作品の概要を簡単に紹介しましょう──と思ったんですが、気が進まない!
進まないものは仕方ないので、各自で調べておいてください。(ものぐさ)
とりあえず『殺人事件が起きないミステリー』だったんですよね。
それまではミステリーといえばコレ! という固定観念があったのですが、見事にひっくり返されました。
私の中でミステリーとは──
「不可能犯罪」があり
「探偵役」が
「犯人」を特定して
──めでたしめでたし。
だったんですが、対して上述の「氷菓」はそれに当てはまらないストーリー展開が多かったんですよね。
うーん……なんと申しますか……ミステリーの主題が──
「あの人はなんであんな行動をしたんだろう?」
っていうものが多かったんですよね。
「え、それだけ?」って思っちゃったんですよね。
だって「犯人」を特定するという至上命題がなかったんですよ。
例えば「氷菓」の続きの物語で「ふたりの距離の概算」という小説があるんですが、この話の『謎』って──
「新入部員が辞めちゃったんだけど……何が理由でやめたんだろう?」
なんですよね。
いや、この小説を知らない人が聞いたら「本人に聞けよ」ってなりそうな気はするんですが──この話がメチャクチャ面白いわけなんですよ。
他にも
「教師が『ヘリコプターが好き』って言ってたんだけど、どうも本当はそうじゃないらしい。んじゃ、なんでそんなこと言ったんだろう?」
とか
「中学校の卒業制作で、指示通りに作らない男子が一人いたと思ったら、女子の一人がメッチャ怒って泣いちゃったんだけど……なんで?」
とか
全然『犯人』関係ねぇ!
それもそのはず、『犯行』と呼ばれるような『事件』が発生していないわけですから『犯人』だっていないのです。(ちなみに色んな趣向の話がありますから、『事件』があって『犯人』を探す話もありますよ)
つまりは──ミステリーには必ずしも『事件』や『犯人』が必要なわけではない。
ということが言えるのではないでしょうか?
そして、これまで主張していたように、私は「トリック」とか「アリバイ崩し」、「密室殺人などの不可能犯罪」などのギミック的な『謎』には興味がなく、『どうしてあの人はあんな行動をとったんだろう?』という『登場人物の動機』にしか興味を抱かない読者だったために──まー……かっちりとハマっちゃったんですよね「日常ミステリ」。
加えていうのならば『登場人物の動機』そのものを『謎』として追求する物語展開は、ずっと興味のある話を続けてくれるものでありまして、面白いんですよね。
そんなこんなの意見提起でありました。
さて、とりあえず当初から主張したいと思ったことは全て語り終えたので、次回あたりは「まとめ」を話して今作を終わりにしましょうか。
⚫︎
え? 冒頭のナゾナゾの答え?
いや……今、見直してみたらあまりにも適当な問題すぎて……正解を発表したら『いや、それは問題が悪い』と指摘されそうで怖いのですが……ええい、ままよ!
答えは『A君は福岡在住で、Bちゃんは東京在住だから』
ですね。
二人は幼馴染とは書いていますが、同じ地域に住んでるとは書いてません。
そしてその二つの地域には40分ほど「日の出時間」に差があります。東京の7時は明るいですが福岡の7時は暗いです。(季節によりますが)
あとA君が『福岡』在住というのがちょっとしたミソであったりします。福岡出身の方なら理解してくれる人もいるんじゃないかと思いますが(全員が全員というわけではないが)『朝課外』ってのがありまして……福岡の高校生って日が出てから起床してたら、学校を遅刻する場合が大いにあるんですよねぇ。(詳しい解説が欲しい方がいらっしゃれば次回に言及するかもしれません)
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