第16章 買物遠征?
90 買物遠征計画
結局話の結論は出ないまま、8時半で話し合いを切り上げて寮の部屋へ。
さて、今日は第3曜日だ。
しかし第2曜日が試験だったから、今週はまだ買い出しに行っていない。
つまりスイーツ材料が、割と心許ない状態になっている。
ゼラチン粉の在庫は0だし、
テッテレルの砂糖漬けがなくなったし、紅茶ももう無い。
ゼリー用にテッテレルや紅茶は使用しまくったから、仕方ない。
つまり私は今日、公設市場に出かける必要があるわけだ。
そう思ったところでふと、先ほどの話し合いを思い出した。
ヌローラ以外の
食料品については、公設市場が値段と品質のバランスが取れているとされている。
しかし品質がいまひとつでも、もっと安い品物を売っている市場や
タブレットを出して、ポアノンの地図を表示させる。
『品質は今一つでも安い食品を扱う商店や
6箇所ほど表示された。
場所は
服を買うときに見たトロナ
そう思ったところで知識魔法が起動する。
『
日本時代の私の家の近くにも治安がよろしくないとされる地区はあったけれど、そんなものではなさそうだ。
ならやはり近づかない方が正しいのだろう。
そう思ったところで思い出す。
今こそ、安全対策で購入した服の出番ではないかと。
先週の第一曜日に購入した後、部屋の中では何度か着て試している。
外で基準4の服から一瞬で着替えるため、また基準4の服に一瞬で着替えるために、独自魔法も開発した。
物陰などの人目がない場所さえ確保すれば、魔法を起動して一瞬で着替えが完了する。
よし、今回は買い物ついでに周囲の状況を確認するとしよう。
ただし少しでも危険を感じたら、すぐに引き返すことにして。
最初に行くのは、公設市場の会計だ。
現在の所持金は100
今回は紅茶やテッテレルなど、ゼリーの中身や風味となるものを購入したい。
そうなると、どう考えても、100
あとはどの地区が、本当に近づいてはいけない場所かも知っておこう。
どういうことかというと、人種的な問題だ。
服は変えられても、肌の色や顔つきは変えられない。
魔法で変えられるかもしれないけれど、その場合見破られたらさらにまずいこととなる可能性がある。
ここの階層問題や治安問題は、人種も絡んでいたはずだ。
だから黄色人種が歓迎されないというか、むしろ敵視している場所もあるはず。
例によって知識魔法が起動する。
『旧来からいる白人系住民と最近10年間に移住者に増えてきたアジア系住民との間に摩擦が生じています。白人系住民の貧困層は
つまり着替えたとしても、私は
あと
客層が極端に偏っていると危険な可能性が否定できないから。
なら公設市場に寄った後、
①
② 危険を感じないならヘント
③
④
⑤ 施設へ戻る
というコースがいいだろう。
これで問題ないだろうかと考えたところで、知識魔法が再度起動。
『
もちろん
④はやめておいた方がいい、了解だ。
しかし何というか、面倒だ。
ただ昔からポアノンに住んでいた人からみれば、現実はそうなのだし、そうなったのも必然なのだろう。
実際うちの近所の町でも、某地域出身の一部の外国人は白い目で見られていた。
全員が悪いとは言わない。
でも悪いと傍若無人なのが10人以上いれば、避けようとするのは当然の反応だ。
なおかつほとんどが現状での滞在が違法だったりしたら……
そこに更におかしな団体が入り込み、どう考えてもおかしい主張を繰り返していたら……
ここでは移民、それもまだ国民ですらない私としては、出来るだけ危険に近寄らないのがきっと正しい。
だったら
ただ現状をある程度把握しておくのも重要ではあると思うのだ。
もちろん安い物を買いたいという理由も、今回は結構大きいのだけれど。
よし、今日は思い切って出かよう。
基準4の服を着て出かけた後、①の公設市場でこの前買った服に着替えて、②のヘント
しかしその前に、まずは学習のノルマから。
言語Ⅳと魔法Ⅳを1
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