第17話 勝利の女神

グループデートの後、

いい感じのマブダチ男女のようになった

葵と涼音ちゃんやで~


法立女子の試合が明後日に迫り、

白熱した練習を見届けた怜校長が

その夜、勝利への秘密兵器を

用意しようとしていたのだ


「ツム~ちょっといい?」

「何~?今から宿題するんだけど」


「すぐ終るから

 9日の昼から市営体育館で体操の合同練習でしょ」

「そうだけど」


「その日11時から、隣の第三球場で葵ちゃんと

 スズちゃんの練習試合があるから、

 ツムに見に来て欲しいのよ」

「何で?」


「だって、葵ちゃんと元サヤに戻りたいんでしょ

 葵ちゃんもそうみたいだし、いい機会じゃない」

「そうだけど、練習前だから」


「お願い!」

「怜ちゃん。裏があるでしょ!」


「ばれた?

 ツムは葵ちゃんの勝利の女神じゃない

 ツムが応援に行ったときは全戦全勝!

 去年の全中の準々決勝だって、

 ツムが応援に来てくれたら

 勝てたって葵ちゃんが言ってたわよ」

「みたいね~あのバカ

 でも、負けたのをわたしの責任にされるのはヤダな」


せやねん!紬ちゃんは葵にとって勝利の女神!


〇紬ちゃんが応援席にいるとき~

 よっしゃー!いくぞー!一球入魂!好球必打!

 オレにエロなんて不要だぁ~!


〇紬ちゃんが応援席にいないとき~

 あ~あ、めんどくせぇ~早く終わらせよ~

 可愛い子いないかなぁ~


「その試合は相手の監督さんの策に負けたって

 風潮してるみたいだけど

 負けたのは、バックネット裏にいたミニスカートの

 お姉さんの責任だよ」←お姉さんは何も悪くないで~

【・・・】


「まあ、いいじゃない

 来月のお小遣いプラス2000円するからさ

 ね!」

「まぁ、いっか!行くよ

 でも、1時間も居れないよ」

【スズに取られちゃう前に動かないとね】


さあ~試合前日の練習なのだ

軽めの守備練習とバッティングフォームを確認した後は

必勝ミーティングやで~


葵 「明日の方針をお伝えします」

「はい」「はい」「はい」「はい」「はい」「はい」


葵 「守備は固定。打順はスズを3番、

   瑞穂(主将)さんが4番で行きます

   先発はスズ。美玖は5回からいく

   相手は控え、それも控えの控えだと思います

   それでも、全国から集まった精鋭で

   うちより格上の戦力です」


瑞穂「じゃあ、どう」

話を遮るように

葵 「データがないので、出たとこ勝負です

   むこうは全力でこちらを潰しに来ますが

   当然、こちらも勝ちに行きます

   たとえ、負けるにしても、

   消せない傷跡を残してやります」

瑞穂「鍛え抜いた堅守。積み重ねた速球対策

   弱者は弱者の戦い方をするということですね」


葵 「はい、そして夏の予選の頃には

   うちは別のチーム(強者)になっています」


涼音「じゃあ、明日に備えて早く帰って寝ますか~」


その夜、葵に涼音ちゃんから着信が入るで~

「ごめんさない!

 わたしが悪~ございました」

「なんだよそれ、誰かに今日されたのか?」


【しまった・・・条件反射になってる】

「いや、なんでもない、なんでもない」

「私でエッチなことを想像してたか~?」


「な訳ねーだろ!あんな子熊さんじゃ無理だ!」

「お前。がっつり見たな(怒)」


「あ」


「で、なんだよ、早く寝るんじゃなかったのかよ」

「なんか寝れなくてさ」【葵と話したかっただけ】


「葵。監督らしくなってきたよな

 今日の葵

 なんか見直したよ。かっこよかった」

「お!ほれれたか?」


「な訳ねーだろ!エロバカ!」


「うちには精神的支柱になる3年が居ないから

 あーでも言わないとな」

「さすが全国ベスト8!

 ミニスカートのお姉さんがいなかったら

 全国優勝!」


「お願いだから

 そのことは部員には言わないで

 お願いです」


「さ~て、明日は派手に負けてやるか~

 そうだ葵

 観覧車で気付いたけど

 お前のテント

 やっぱり一人用だったな」

【しょぼんちゅ】


さあ~勝負の日!

市営第三球場に集合した鈴丘学院なのだ


「あれ?法立女子がもうアップしてる」

「ちょっと待て!あれ西門 冴子さんじゃない?」

「レギュラーも来てるじゃない」

「凄い人数・・・」


~つづく~

プレイボール!

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