第20話 願い事

 魔法の絨毯に突撃されかけ、矢の雨に降られてから、何事もなく空の旅路を続けることができた。


 トラブル続きは一過性のものだったようで、安心しているのも束の間だった。


 精霊たちは警戒していたけれど、油断していた私は「私の運もそこまで悪くないってことかな?みんなのお陰で何があっても大丈夫そうだね!」なんて呑気にお話ししてしまっていた。


 これがフラグになるとも知らずに……。


 影の精はニッコリ私に微笑みかけて頷き、雷の精は手を挙げてこたえてくれた。


 そんな矢先だ。


 遠くからなにかがこちらに飛んでくるのが見えたけれど、気づいた頃には手遅れで……。


「ふぐぅっ!」


 何が起きたかわからないまま、少し遅れてお腹に衝撃を感じながら空を真っ逆さまに落ちていた。


 雷の精の叫び声が聞こえて、影の精が吸引らしきものをしているけれど、私の落下は止まらなかった。


 落下しながら、チカチカする目で飛んできたものの向かっていった方角を見てみると、金斗雲らしきものがピューンと軌跡を残して真っ直ぐに飛んでいた。


 あんなもんにぶつかられてタダですむわけがないだろう……。


 落下中によるものか、驚いたショックか、ただでさえ血の気が引いて心臓が激しく暴れているのに、さらに鼓動を早めながらお腹に手をやる。


 良かった。ちゃんとある。触れる。


 穴が開いてないし、何も酷いことにはなっていなくてひとまず胸を撫で下ろす。


 童話の世界だからかな?


 この期に及んでまだ呑気なことを考えている自分に苦笑する余裕はなかった。考える余裕はあるくせに。


 お腹に風穴が開いていなくて良かったけれど、ちっともよくない状況だ。


 意識が遠のいていく中、影のカードがひとりでに動き出し、吸引効果を発動するのを見届けながら意識を失った。




 いつもの悪夢にはいる前、いつもと違った夢を見た。


 これはタマの夢なのか、私の夢なのかわからない。


 私にも覚えがあるが、あっちはどうなんだろう?


「水泳してるんだ?」


 意地悪してくる子に言われてからすぐのことだった。


 幼い頃に通っていた水泳の習い事で先生の話を聞いているのに、いつもと違ってすごい剣幕で怒鳴られたときのことを夢に見ていた。




 そうして場面が変わり、今度はタマが演劇のリハーサルで顧問の先生から「ちゃんとわかってはいるんだけど、寝てるようにみえる!睫毛切るかなにかしてこい」と言われているところだった。


 タマの先輩たちはビューラーという道具でタマの睫毛を上げて、目が開いてるように見えるようになったらしい。


 あれ?水泳で不当に怒鳴られたのってもしかして?


 っていうか、寝てないのに勝手に寝てると思って怒るって酷すぎじゃないか?こっちは結構ショックだったんだぞ?


 寝ているように見えていた可能性に気づいていると、また場面が変わった。




 ああ、また悪夢だ。


 ユキの父親がタマの父親に「この子のお父さんですか!?娘さん素晴らしいね!どういう育て方をされてるんですか!?」と、食い気味に質問しているところだった。


 これは確か、タマにとってはじめての舞台が終わったあとの……。


 ユキが「恥ずかしいからやめて」と言ってユキの父親が引いたあと、タマの父親が「あれが先輩の親か?」なんて言っていた。


 タマはユキに聞いたけれど、ユキの返事は「違う。あんなの親じゃない!」だった。


 タマは別に責めるでもなく、OBが来たときにユキに虐待されてるのか聞いた際、ユキから否定されてはいたけれど、やはり酷い目に遭わされてるのだと確信したようだった。


 家に帰ってから、タマがタマの父親に「あれは先輩のお父さんだったか?」と聞かれたけれど、ユキが否定してたから「違うんじゃないかな?」と答えていた。


 タマの父親は「誰かの保護者じゃないとあの場におらんやろう。何か家庭に事情があるんちゃうか?」なんていっていた。


 タマはやっぱりそうなのかと思いながらも、タマの父親から「無闇に人の家庭の事情には突っ込まん方が良い」と言われていた。


 タマはそれでもなにか力になりたくて、親の話がでたときは心配したりしたようだったけれど、ユキが親について話したのは母親にいつも何を言われているかと、父親が怒ったこと、話したら殺されることだけだった。




 何度も何度も同じ悪夢。


 違う悪夢が増えたかと思えば、またその繰り返しだ。


 しかし、繰り返す内に欠けていたものがパズルのピースのようにどんどんはまっていくのを見ている気分だ。少し楽しい。


 悪夢を見ていると気分は悪くなるけれど、ピースがはまっていくような見え方は少しだけ面白いと思った。




 場面が変わり、中学二年生で演劇部が廃部になったあと、被服室で部活をしているタマの元へユキが会いに来ている時。


  ユキがタマに「ウチはどうしても許せそうにない」といっていて、タマは喧嘩のことかと思って「もしかして私のこと?」なんていっているところだった。


 ユキは「タマちゃんなわけないじゃん。それとも、なにか許されないようなことした?してないでしょ?」と聞いているところだった。


 タマは考えてから「先輩と喧嘩したとき」と答え、ユキは「あれはもうなかったことなんだから気にしないで」と返していた。


 タマはそれでも気にしていたらしい。


 ユキはそう言ってくれたけれど、「父親に喧嘩のこと話したら怒っちゃったから、もう遊びにこれない」なんていっていたし「ウチはバカだ」と何度も言ってくるから気にしないでいられなかった。


 タマはずっと、ユキが何を許せないのかがわからなかったようだ。




 次はタマが高校一年生の冬、周りから人殺しのような扱いを受け始めたときのことだ。


 高校の部活で叫び声が聞こえ「友達のために?」「これが真実だ」なんて、男の先輩が騒いでいる声が聞こえていた。




 また場面が変わり、ユキがタマに自転車で追突するような形で話しかけに行っているところだった。


 高校二年生の春先。


 タマがユキに「同じ高校に行きたかった」といっていて、ユキも「そっちの高校に行きたかった。こっちの高校はおすすめしないよ。もったいない」なんて話をしていた。


 あとは前にみた夢の通りに進んだけれど、タマが大学に行ったら一緒に暮らそうと誘う前に、ユキは「ウチはもうダメだ。助けてタマちゃん」なんて言っていた。


 タマはやはり、ユキが親からひどい目に遭わされてると確信したようで「やっぱり親になにかされてるんじゃない?」と聞いたけれど、ユキははぐらかして答えようとしなかった。


 ユキが親元から離れられるよう、タマは「大学生になったら一人暮らしができる」と言ったり、一緒に住もうと提案するきっかけだったようだ。


 欠けていた流れか。


 ユキは「嬉しいけど、親が反対すると思う。そういってくれるだけで本当にありがたいよ」といったあと「人前ではそういう話をしない方がいいよ。それに、それまでウチは生きてられるかなー……」なんて言っているところだった。


 これも前にはなかったピースだ。


 そのあと、ユキと同じ学校の男子学生たちが歩いて傍を通りすぎながら、同じような罵詈雑言を投げつけていたが「おかしい。今、自分から話しかけに行ってた」なんて言っている人がいた。


 これも欠けていたものか。


 興味深く感じながら夢を眺めていると、タマは「急に耳が……」なんて下手くそな嘘をつき、ユキは「約束、覚えてる?」とタマに言うのだった。


 タマはもちろん覚えていると答えた。そう、絶対絶命のピンチだ。


 ユキは「実は仲良くしている人が悪い噂を流していじめてるとかあるかもしれないよ?」なんて仄めかしていて、タマにとって最大の難関だったが、気づかないフリをし、思いっきりバカになってやり過ごしていた。


 タマは「先輩が死んじゃうの嫌だ」なんて心の中で焦りつつ、私はいじめられてなんかない!なんて自分に言い聞かせ、自分の辛くて苦しくて死にたいくらい痛い気持ちなんか知らないフリをした。


ユキは「まずい、見られちゃったなあ」なんて言って、慌ててタマの元を去り、多分そろそろいろいろ察したはずのタマは知らないフリ、気づかなかったフリをして、今起きたショックなことを忘れ去ってしまおうと決意していた。


 先輩のこと大好きだから、なにか事情があるんだろうから、平気だよ。先輩にとって都合が悪いよね?でもこれも勘違いだったら?私だけ先輩のこと大事にしてて、先輩は私のこと大嫌いだったってこと?


 なんて心の中で呟きながら、ショックな出来事に心の中がぐにゃぐにゃでふわふわして、頭が痺れて混乱していたけれど、一生懸命忘れて頑張っていたようだった。


 頑張って忘れてもやはりショックなものはショックで、心が空虚で苦しくて痛いのは変わらず、ただただ悲しくて辛いのだった。


 タマが一年生の頃のように、人殺しなんかしてないのに殺人鬼のような扱いを受けなくなったきっかけだったようだけど、本人は気づいていないようだった。




 それからしばらくしたある日の部活で「俺ら困ってるからやめるよういってくれ」なんて声が聞こえていた。




 その後の二年生の秋頃、タマの家にユキがたこ焼きを持って来て「この歳になってそんなことして恥ずかしい」と言われていた。


 それからしばらくして、家の前でタマが中学のとき同じクラスだった男子たちが自暴自棄になるような追い討ちをかけている様子が夢にでてきた。


 そして、更にしばらくした高校三年の梅雨時にユキが死んだ。




 はっと息を飲んで目を覚ますと、追突されたお腹が痛いくらいで他には特に痛みもなく、どうにか無事だったことがわかった。


 寝転んでいたのは古い町並みの石畳の上のようだ。


 ごつごつの石畳で寝てたから体のあちこちがめちゃくちゃ痛い。


 どうやって助かったのやら……。


 意識をなくして夢を見る前、何があったか一生懸命記憶をたどる。


 確か、ぶつかられておっこちて、影のカードがひとりでに舞い上がって吸引効果を発動させてたっけ。どんな条件で発動したのか知らないけど、どうやら助かったらしい。


 カードの吸引で助かったってことは、カードに引っ張り上げられながらゆっくり着地したってことなのかな?パラシュート?


 影の精がせっせとカードを用意してくれてなかったら今頃死んでいただろう。


 渡したとき、別に力を込めてほしかったわけでもなんでもなかったのに。また会えたらお礼を言わないと。影の精の献身には頭が上がらないな。天使みたいな子だよ。


 私は影の精に何を返してやれるだろう。命を救ってくれた子に何ができる?


 お礼をどうするか悩みながら、自分の状態を確認する。


 体は普通に動くから骨が折れているわけでもなさそうだ。頭から血が出ていたりもしない。


 どんな風に地面に降りたのかが非常に気になるけれど、今どこにいるのか把握するのが先だ。


 精霊は二体とも近くにいないみたいで、いつものようなほんのりとした温もりがない。


 これがなんの温もりか私にはさっぱりわからないけれど、近くにいたらなんとなく心が落ち着いてあったかいんだ。


 目を閉じて感覚を回想する。


 それが今はちっとも感じられないどころか、少しだけ肌寒い。


 みんながいないから寒いのかな?それにしたって寒すぎる気がする。


 寒いときにあたたかい火を求めるように、一人で探索しながらみんなを探そうと思ったけれど、雷の精の「一人で歩かせても心配なくなるまで、もう勝手にふらつくなよ」という言葉が頭に浮かんだ。


 あれ?これ下手に歩いたらまずいかな?大人しくここで待ち続けた方が良いだろうか?


 どうすべきか考えていると、どこからともなく冷たい風が吹いてきた。


 なんとなく、風の吹く方へ歩いていこうと思った。


 待っているべきだという気持ちも少なからずあったけれど、こっちへ行かないといけない気がしてくる。


 自分でもよくわからないただの直感だ。


 風の吹く方へしばらく歩いても、どういうわけか体が少しもあたたまらなかった。


 いつもならすぐあつくなるのに……。


 なぜだろう?風に吹かれているから?


 時折風がやんだけれど、風が吹いてようが吹いてなかろうが、ずっと肌寒い。


 実は転落死していて、死後の世界をさ迷ってるとか?


 いやーないない。だったらこんなに体が重いわけがないし空とか飛び放題なはずだろう?死んだら飛べるよね?


 勝手な思い込みとイメージだったから、ひとつも自信はない。けれど、まだ生きていると思いたくて、あえて勝手なイメージを先行させた。


 ではなぜこんなに肌寒いのか?


 精霊が傍にいるとあったかいのだから、もしかして幽霊が傍にいるとか?


 あるかもしれない。


 一人で頭の中を整理するために、壁打ちするような形で言葉を投げ掛けながら、風に向かって歩いてしばらくのこと。


 こじんまりとした時計塔が見えてきた。


 近くには綺麗な小屋があり、そちらからはなんだか嫌な感じがする。


 ここにたどり着いたからか、ほぼずっと吹いていた風がピタリと止み、時計が針を動かし三時を知らせる鐘を鳴らした。


 カラーン、カラーン、カラーン。


 豚君を埋葬した日に聞いた鐘の音と、とてもよく似た鐘の音だ。


 なんだか懐かしくなるような鐘の音だな。他にもどこかで聞いたことかあるような……。


 懐かしさに浸りそうになっていると、小屋から楽しそうな笑い声が聞こえてきた。


 小屋の周りには花が植えられている鉢やプランターがあり、どの子もいきいきと生い茂っている。


 小屋は白い壁で少し神々しさを感じるが、やはり中から嫌な気配が漂っている。


 笑い声は綺麗で聞き心地が良いのにな。


 あまりよくないことだけれど、窓からそっと中を覗き込むと、中学生くらいの人が二人いるのが見えた。


 あれは……ユキかな?じゃあ、あっちは?もしかして、タマじゃないか?


 服装が少し違うし、覗き見たときよりふっくらしているけれど、タマな気がする。


 タマにはそこはかとなく不快感がある。相乗りしていたからか、それとも……。


 顔を見てみないことには確信できないが、ほぼ確実に……。


 二人ともこちらに気づかぬまま楽しそうに話をしている。


 なんの話をしているんだろうか?


 耳をすましてみると、ユキがちっちゃい子みたいなやらかしをして、タマが「ちっちゃい子みたいで可愛い」なんていっているところだった。


 ユキは「やめてほしい。恥ずかしい」と言っていて、タマは「だって可愛いんだもん」と何度も言っていた。


 ユキが「お願いだからやめて」と言ってようやく、本当に嫌だったのかな?と考えたらしきタマが「なんでやめてほしいの?」と聞いていた。


 ユキは「なんかいやだ。いやだー。嬉しいけどね、ウチの目指すところじゃない」と返事をしていて、タマは首を傾げた。


 なるほど。ユキはタマに格好よくみられたいわけだな?


 しかし、察しがくそ悪いタマは気づかぬまま、ユキのこと「可愛い」と言っていて、ついにユキが「タマちゃんはうちが裏で何してるのか知っても許してくれそうだね……」なんて言い始めていた。


 タマはやはり気づいてないようで「裏?」とユキに聞いている。


 聞いていて深くため息をつきそうだった。


 なんて察しが悪いんだ。……タマは。さすがに少しぐらい気づけ。


 私は夢で情報を得ていたから知ってるよ。


 ユキは独占欲ゆえに、タマにやられてもないことをやられたって言ったり、タマの悪評を広めてるんだろ?ちっちゃい子が他の人に大好きなものとられたくなくて独り占めしようとしてるような真似をしてるんだぞ。


 夢で客観的に見れたから気づけたのかもしれないけどさ。タマよ。お前だってヤキモチやいたりしやすいんだから、気づきやすいはずだろうに。


 にしても、どうしてタマはこんなに察しが悪いのか……。


 今ここであれこれ考えたところで憶測の域を出ないけれど、それでも可能性を羅列していないよりはずっといいし、考えるのが楽しいから思考を巡らせた。


 私の推測通りであれば、タマはどんどん抜け殻みたいになっていってる。他にも考えられることはあるけれど。


 しばらく二人の会話に聞き耳を立てていたけれど、それはもう楽しそうにずっとお喋りしっぱなしだった。


 私がこちらのユキにそうしたように、タマがユキに「山深み 春とも知らぬ 松の戸に 絶え絶えかかる 雪の玉水」という詩の存在を話していた。


 授業で使っている資料に載っているのを偶然見かけて気に入ったらしい。


 ユキはニコニコしながら「タマちゃん。うち勘違いしちゃうよ?」なんていっているけれど、当のタマは何を勘違いしようとしているのかがわかっていないようで、首を傾げていた。


 そうだよな。お前察しが悪いもんな。


 ユキから鏡って名前をもらう前に、顔が赤くなるから自らリンゴを名乗ろうとしてた時、ユキが嫌がった理由とかも言われるまで全然気づいてなかったもんな。


 呆れて何も言えなかったけれど、これはこれで見てて面白くはあったが、ユキが不憫でならなかった。


 タマは鈍感さに気づいた方がいいし、好きだって思ってもらえる気持ちをもう少し拾ってやるべきだ。好かれたことないから仕方ないんだろうけどな!


 タマに対しては苛立ちを募らせていくばかりで、ユキに対しては本当に不憫で仕方がなくなってきた。


 談笑は果てなく続いていたけれど、ユキが好きな人の話をし、どこからともなく薄い影法師がたくさん湧いて部活が始まった。


 タマが挨拶してもユキ以外から無視されたり冷たくされ始めたその時だ。


 カラーンカラーン。


 近くにあるこじんまりとした時計塔が鐘を鳴らし、私は周りの景色がものすごい勢いで遠ざかっていくのを眺めることしかできなかった。


 身動き一つとれず、いつの間にか真っ暗闇の中にいた。


 目を閉じているのか開けているのかわからないほどの暗闇で、どこからか綺麗な鈴の音が聞こえてくる。


 こっちへ行けばいいのだろうか?


 体は金縛りにでもあったかのように動かないけれど、意識を鈴の音へ向けていると、体に自由が戻ってきた。


 体が動かせるようになってすぐ、五感も取り戻したらしい。


 激しく流れる水の音が聞こえてきて、テントで寝ているときの感触が肌にある。


 ああ、時間が巻き戻ったんだな。


 自分の記憶はそのままで周りの時間が巻き戻っている謎が解け、自分がどこを目指していけばいいかも理解した。


「ずっと幸せな時間が続いてくれたら良かったのに。かあ……」


 幸せだったころの記憶が永遠に続くのを願ったタマは一体何に願ったのだろうか?


 私のように星々か、それとも神様かなにかか?もしくは何にも願っていないか……。


 無限ループされたらここから一生出られない。それでは困る。


 しかし、あそこへもう一度たどり着くにはどうすればいい?また同じことをすれば場所を正確に特定できるかな?


 前回なにをどうやっていたか、じっくり記憶の糸をたどっていく。


 どうせ失敗してもまた巻き戻されるから何度でも挑戦できそうではあるが……。


 もし仮にたどり着けたとして、何をどうするか?そこも考えておかないとな。


 こうして、ここを出られる可能性を見つけた私はとりあえず影の精を休ませ、雷の精をバッテリーから救出した。


 今回はカバーを粉々にせずに分解できて、ある程度バッテリーを組み立てなおすこともできたが途中からわからなくて諦めた。また次回。


 影の精がゆっくり休んで起きてきてから二体の精霊に相談して一緒に頑張ることにした。


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