第11話 股間のジョンと股間の竜

レオン、リシアナ、ティア、エリシアの4人パーティは、鉄壁王国グランフォートの国境を通過し、次の目的地へ向かう旅路を歩いていた。


グランフォートは戦士と鍛冶の国だが、道中は静かな山道が続き、風が木々を揺らすのみ。


レオンが地図を手に呟いた。

「グランフォートの国境を抜けたけど、次まで遠いな…」


リシアナが剣を肩に担ぎ、軽く笑った。

「ま、のんびり歩くのも悪くないよ。股間竜さえ暴れなけりゃね」


その時、前方からローブをまとった男が歩いてきた。

坊主頭に筋肉質な体、素朴な笑みを浮かべる修行僧-モンクだ。


彼が4人に近づき、穏やかに声をかけた。

「お前ら、旅人か? 俺はモンクのザックだ。なぜ旅をしてるんだ?」


レオンが面倒そうに答える前に、リシアナがニヤッと笑って口を開いた。

「こいつの股間がバハムートだからさ。賢者様を探そうって旅だよ」


ザックが一瞬目を丸くし、次の瞬間、深く頷いて語り始めた。

「そうか…世の中には2種類の人間がいる。股間に名前をつける人間と、そうではない人間だ。俺も股間に名前をつけてる。ジョンと呼んでるよ」


レオンが慌てて手を振った。

「いや、そういう意味じゃなくて!」


リシアナが笑いを堪えつつフォローした。

「本物のバハムートが宿ってるんだよ。召喚獣が股間にいるって話で…」


ザックが「は?」と顔を歪め、ドン引きした。

「なんだそりゃ、変態か? 俺のジョンもドン引きしてるぜ。なぁ、ジョン」

彼が股間に向かって呼びかけると、裏声で返事が響いた。

「コワイヨー!」(裏声)


レオンが頭を抱えて叫んだ。

「一緒にするな! 本物の竜なんだよ!」


「フン、貴様。俺をそのジョンとかいうものと比べるな。俺は伝説の竜王バハムートだ」


バハムートがズボンから顔を出し、低く唸ると、ザックがさらに目を剥いた。


「喋った!? マジで竜が股間にいるのか!? ジョン、すまん、俺の想像を超えたぜ」

「ビックリダヨー!」(裏声)


リシアナが腹を抱えて笑い出した。

「股間と話すタイプの人間がレオン以外にもいたとはな! ジョンって何!?」


エリシアが鞭を手にドSな笑みを浮かべる。

「ふふっ、股間に名前をつけるなんて素敵ですわ。私が苛めて、いや、清めて差し上げましょう…はぁん」


ザックがローブを翻し、真剣な顔で語り始めた。

「俺はモンクだからな、修行の身だ。修行は一人で行う。雨が降る日も風が吹く日も一人だ。だが俺にはジョンがいるから、つらくはないんだ」


彼が股間に目を落とし、優しく呟いた。

「なぁ、ジョン、そうだろ?」

「ソウダヨー!」(裏声)


レオンが顔を引きつらせて呟いた。

「それやめろ!俺はバハムートと打ち解ける気ねえからな!」


ザックがレオンに深い眼差しを向け、静かに言った。

「お前もその股間の竜と打ち解ける日がきっとくる。ジョンみたいに心の友になれるさ。頑張れよ」


そう言い残し、ザックは山道の奥へと去っていった。


去り際に股間から「ジャアナー!」(裏声)が聞こえ、4人は呆然と見送った。


リシアナが涙を拭って呟いた。

「ジョンって…バカすぎて笑い止まんねえよ。レオン、お前もバハムートと仲良くしろってさ」


レオンが喚いた。

「あんなのと一緒にすんな! 」


ティアが観察日記を閉じつつ呟いた。

「股間研究家の私も初めて聞いた。この道は奥深いな」


4人は股間のジョンとの奇妙な出会いを胸に、グランフォートの山道を進み続けた。


股間と話すモンクの言葉が、レオンの股間竜との旅に新たな疑問を投げかけた。

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