電車で読める程度の物語
馬西ハジメ
小説家になればいいよ。
22/09/12
散々な目に遭った君が流れ着いた場所で、私は息を潜めていた。
寒さに震える君へかける言葉なんて生憎ひとつも思い浮かばなくて、口から出任せをいった。
「小説家になればいいよ。」
きっと意味のない人生なんてないからさ。
そう付け加えるわけもなく投げやりな私は未だに小説家ではなかったが、その当時の自分のような君につい軽口をたたいてしまった。
別に後悔はない。それに君の人生がどうなろうと知ったこっちゃない。
だけどこの夢で私は命を繋いだから、
君にも貸してあげようとおもった。
君の涙が君のためになりますように。
どうせお互いすぐに忘れるだろうけれど、
今はそう願うことにした。
【おわり】
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