学年のマドンナの彼氏になったら大学生活も共に過ごすことになった
136君
1年生編
figure1
第1話 新生活の始まり
―俺に青春は必要ないと誰かが言った。正直そう思っていたし、彼女ができるまではそんな世界は遠いものだと思っていた。
でもそれは違った。実際のところは隣にいる誰かとの関係が少し変わるだけで、他は何も変わらない。そんなものだった。
言葉にするのは難しい。けど、お互い想い合ってさえいれば、自然と伝わる。このことには、青春がなかったら気づかなかっただろう。
あの頃の俺に言わせてみれば「青春など必要なかったはずなのに!」だな。
おっと、呼ばれてしまった。それじゃあ、また―
「お待たせ。」
「おう。」
トイレから帰ってきた桜は手を拭いてからキャリーバッグを転がし歩き出す。
福井駅に着いた俺たちはトイレ休憩を済ませ、不動産屋で鍵を受け取る。そしてバスに乗って、これから住む部屋に向かった。
「ヨーロッパ軒、ケンタ、アトム、天一…食べるところには困らなそう。」
バスに揺られながらスマホのマップで部屋の近くのお店を探す桜。
「なんでもう外食する気満々やねん。」
「やって、これからバイトとかあるやろ?料理作れる体力残ってるっかなって。」
「それは、その日休みのほうが作ったらええんちゃう?」
「それはそか。でも、今日はフライパンとかないんやしええやろ。」
「今日の晩はな。」
一応、近くのスーパーも確認して借りた部屋だから、そこにも困らないはず。それはそうとして、今からは荷物の搬入が待っている。
最寄りのバス停から徒歩4分。俺たちの住む部屋に着いた。2階で広さは2DK。お互いのプライベートは分けようということで、それぞれ部屋を持つことになっている。その分家賃は高くなってしまうが致し方なし。
「あとどれくらいで着くんやろ。」
「まだ連絡来てないからな。とりま先になんか腹入れとくか。」
「せやな。天一行こ。」
「タイマーやな?」
「そゆこと。」
キャリーバッグを部屋に置いて、俺たちは天一に向かった。
昼食を終えたタイミングで、引っ越し業者から連絡が。どうやらもうすぐ着くらしい。
「帰るでー。」
「はぁーい。」
気の抜けた返事とともに、俺たちは店を出る。
さあ、新生活の幕開けだ。
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お久しぶりです!
前作、『陰キャ』のほうで匂わせていた大学生編、きょうから開始です!
課題とかバイトとかいろいろある中で書いていくので、不定期になることもあるかもしれませんが、現状、毎日投稿の予定なので楽しんでいってください!(なお、今作も書きだめは一切していない模様…)
高校生編はこちらから↓↓↓
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