第4話 ランクS


「たらい回しはごめんだぞ?」

 俺はギルド長にそう呟くと、

「す、すまんな、俺ではちょっと判断がつけられないのでもう少し待ってくれ」

「はぁ」

「そ、そうだ、さっきの魔石の買取ができてるはずだから取りに行こうか?」

 俺は立ち上がるとギルド長が先に歩いて行く。


 受付嬢のところに行き、買取金額を聞くと、

「3億4000万になりますがどうしますか?現金だとちょっとお待ちになってもらいます。冒険者カードは身分証とクレジットカードの機能もついてますけど?そこに入れますか?」

「……は?あぁ。……じゃ、じゃあ、そうしてくれ」

 3億?あの石がか?だいぶ捨てたんだがな。


 カードを受け取りインベントリに入れる。

 とりあえずこれで宿無しは回避出来たな。

 帰ろうとすると、

「ま、待ってくれ、いまから人が来るから会ってくれ」

「俺は宿無しだからホテルに行きたいんだが」

 もう辺りも暗くなりそうな時間帯だ。

「分かった、こちらで用意する」

「……はぁ、わかったよ」

 とりあえず待つこと1時間……流石にコーヒーも飲み飽きたな。


「君が例の子か……本当にレベル100なのか?」

 後ろから声がかかるが偉そうなので無視だ。

「おい、、お前がレベル100なのかと聞いているんだ!」

 と前に回ってきて机を叩くので、立ち上がり殴るふりで寸止めすると風が起こる。

「……は、は、」

「偉そうだな?だが俺には関係ないだろ?」

「そ、そうだな、悪かった」

 と頭を下げるこの男は名刺を出すと小室秀彦コムロヒデヒコと言うらしく、ギルドの執行役員らしい。


「で?なんのようだ?」

「君の力はランクA、いやSかもしれないからそれの確認をさせて欲しい」

 面倒だな。

「俺はもう帰る。好きなようにすればいい」

「それは困るよ。せっかく来たんだから見せてくれないか?」

 帰ろうとしたら回り込んで頼んでくる。

「……はぁ、どうすればいい?」

「一緒にダンジョンに潜ってくれないか?もちろん私では無いがね」

「分かったよ、で?」

 隣にいる女が前に出てくる。

「ランクAの相楽サガラよ」

「兵藤だ」

 睨んでくるので睨み返す。


「そ、それじゃあ紹介も終わったしダンジョンに行こうか」

「分かった」

「えぇ」

 ギルドの中にダンジョンの入り口があり、冒険者カードを通して中に入る。

 地獄だと思ってた場所は、どうやらこんな穴のような場所だったらしい。

「それじゃあ軽く動いてきてくれ、相楽が見てくれるから」

「分かった」

「行ってきます!」

 敬礼をしている、固い女だなぁ。


「じゃあさっさと」

 と相楽から声をかけられる前に俺はもう走り出していた。

 さっさとこの馬鹿げたのを終わらせたかったからな。


 スライムにスケルトン、懐かしいメンツに顔がニヤける。

 お前たちのおかげで強くなれたからな!

「オラァ!」

 素手でスライムやスケルトンを片っ端から倒して行く。

 次の階への階段を見つけるが、相楽が来ないので迎えに行くと、

「分かったわ、貴方は規格外すぎるわね」

「もういいのか?」

「あの速さと攻撃力、まぁそう言うことよ」

 二人でダンジョンを出ると、

「規格外です。ランクSでいいと思います」

「君でも勝てないか?」

「無理ですね」

 と相楽は両手を挙げる。

「そうか、では、君は今からランクSだから、行動には責任が生じる。まずはスタンピードがあった場合だが、いち早く現場に駆けつけ……」


 そんなのごめんだ、さっさとギルド長にホテルの予約を聞いて帰ろうとカウンターに向かう。

「ホテルはどこを取ったんだ?」

「え、いや、話は終わったのか?」

「ランクSなんてお断りだ。それよりホテルは?」

 あちらもようやく気がついたらしくこちらに向かってくる。


「兵藤君!話の途中じゃないか!」

「ランクはいらない、めんどくさい」

「そ、それはダメだ!ランクSは受けてもウッ!!」

 俺は小室の胸ぐらを掴むと、

「俺は自由だ!人にこき使われてたまるか」

 と相楽に投げつけると避ける相楽。


「と言うわけだ。もうホテルはいい。自分で探す」

「わ、分かったよ。すぐ近くの単身用ビジネスホテルを取ってある。ここだ」

「……サンキュ」

 と言ってホテルまでの地図の書いた紙をもらいギルドを出る。


 結局夜になってしまったな。


 ホテルに行くとまぁまぁの部屋を取ったようだ。

 別に住めれば他は気にしないがまぁいいか。

 冒険者カードで支払いをする、とりあえず一週間だな。


 久しぶりに風呂に入ったら気持ちがいいな。

 出たらすぐに冷蔵庫からジュースを取り出し飲む、糖分がやたらと欲しかった。


 部屋は広いのでソファーに座り今日の晩飯をルームサービスで頼む。

 頼んだものが来るとすぐにかき込むように食べる。

「久しぶりに美味い飯を食ったな」


 翌日はスマホと普段着を買う為に出掛ける。


 普段着は寝巻きや今流行りの服を買って行く。

 何着買っても金があるのはいいな!

 それにインベントリで無限にしまえる。


 いままでは親の亡くなった時の金があったから一人で生きて来れたんだが。


 それも必要ないくらい稼いだからなぁ。


 スマホも新しくして元のスマホからデータを移行すると、すぐに美柑から連絡があった。


ーーー

美柑・邪夢復活だね!


   まぁそうだな、明日は精密検査だろ?ゆっくりしろよ?・一悟


武道・早く動きたくてウズウズする。


美柑・こんなことばっか言ってるよ?


   さっさと退院してこい、待ってる・一悟


美柑・了解!


武道・分かってるよ!

ーーー


 LUINで交わす言葉が一年も経ってるせいかすごく懐かしく感じる。

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